編集者コラム第28回 ~ 常識を覆す統合型SEC長崎スタジアムシティが提供する「シン日常」(前編)
編集者コラム第28回 ~ 常識を覆す統合型SEC長崎スタジアムシティが提供する「シン日常」(前編)

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長崎スタジアムシティの鳥瞰ビュー
長崎スタジアムシティの鳥瞰ビュー (画像:長崎スタジアムシティ)

2024年は、日本で新たなフットボールスタジアムが3か所も誕生した画期的な1年となりました。2月のエディオンピースウイング広島とゴーゴーカレースタジアム金沢については、本コラムでも詳しくお伝えしてきましたが、10月14日、いよいよ長崎スタジアムシティが正式にオープンしました。

THE STADIUM HUBでも、10月26・27日というBリーグとJ2が開催される土日の様子をお伝えすべく取材を敢行したのですが、実際に訪れてみると、これまでのスタジアム取材とはまったく違うアプローチが求められる「特殊なエンタメ空間」であることを思い知らされました。長崎という街を大きく変えることになる「歴史の転換点」としての長崎スタジアムシティの魅力を余すことなくお伝えできれば幸いです。

(取材と文・筑紫直樹、写真・有川久志、筑紫直樹、長崎スタジアムシティ)

長崎スタジアムシティは世界的にも類を見ない新ジャンル

まず、取材前日となる10月25日(金)の夕方に空路で東京から長崎に入った筆者は、試合がないノンマッチデーのスタジアムの姿を確認するため、市内のホテルにチェックイン後すぐに長崎スタジアムシティに向かいました。これは、ノンマッチデーも開かれた空間になっている長崎スタジアムシティだからこそできたことで、通常は管理者やクラブなどにアポをとって「すっぴん」状態のスタジアムを取材します。バスも市電もスタジアムシティすぐ近くに停留所があるため、JR長崎駅から若干離れていてもアクセスは良好です。

今回は、滞在したホテルがバスセンターに隣接していたため、まずはバスに乗ってみました。10分ほどで『幸町 長崎スタジアムシティ』バス停に到着し、3分ほど南東側から歩くと長崎スタジアムシティの商業棟『STADIUM CITY SOUTH』とホテル棟の外壁が見えてきます。カラフルな長崎スタジアムシティのロゴマークが目に入り、2階のコンコースに繋がるエスカレーターと広々とした階段が来場客を迎えます。エスカレーターも階段も本能的にアプローチしやすい空間設計となっているため、気兼ねなく入場でき、また、山や日本の城郭のように基底部が広く、上階がやや小さくなっているため、特別な空間に入るワクワク感が無意識のうちに醸成されます。

長崎スタジアムシティ南東側の外観
長崎スタジアムシティ南東側の外観 (画像:Naoki TSUKUSHI/THE STADIUM HUB)

2階に着くと、左側に商業棟の店舗やスーパーマーケット、右側にスタジアムの周回コンコースが広がっており、しかもバックスタンド側のコンコースはフードホールとして開放・営業されていることにまずは目を引かれました。世界中のスタジアムやアリーナがコンコースの利活用(コンコース・アクティベーション)に頭を悩ませている中、このアイディアは非常に斬新で、本来はフットボールスタジアムやコンサートなどの興行時以外は、なかなか収益性を見出すことが難しいコンコースをフードホールとして活用することで、スポーツやエンターテインメントには興味がないけど、買い物やスタジアムシティ周辺に用事がある客層さえもターゲットにできる強みがあります。

試合のない日にフードホールとなるバックスタンド2Fコンコース
試合のない日にフードホールとなるバックスタンド2Fコンコース (画像:Naoki TSUKUSHI/THE STADIUM HUB)

しかも、このバックスタンド(東側)のコンコースは、他の南北西のコンコースと違い、唯一ピッチや街に直接的に開いていない空間のため、雨風の影響を受けずに飲食や休憩を楽しむことができます。天気が良い日は、2F中央部分のバックスタンドテラスに出てピッチを見ながら時間を過ごすのも快適かもしれません。

バックスタンドテラスで飲食を楽しむ来場客
バックスタンドテラスで飲食を楽しむ来場客 (画像:Naoki TSUKUSHI/THE STADIUM HUB)

そのバックスタンドの直上には、稲佐山や長崎湾を一望する243室のホテル棟『STADIUM CITY HOTEL NAGASAKI』が聳(そび)えており、唯一無二の存在感を放っています。

バックスタンド直上に聳えるSTADIUM CITY HOTEL NAGASAKI
バックスタンド直上に聳えるSTADIUM CITY HOTEL NAGASAKI (画像:Hisashi ARIKAWA)

客室は、試合時はスポンサー用スカイボックスとして使用し、試合のない日は宿泊が可能な部屋から、世界中のサッカークラブと連携し、平和のメッセージを発信する『PR(L)AY FOR PEACE(プレイフォーピース)』プロジェクトに共感した世界中のサッカークラブのエンブレムなどを施したコンセプトルームまで多種多様な宿泊体験を提供しています。2024年11月時点では、VfBシュトゥットガルト(ドイツ)、シント=トロイデンVV(ベルギー)、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(イングランド)、ジェノアCFC(イタリア)、そしてサンフレッチェ広島とV・ファーレン長崎(共に日本)の6クラブが、『PR(L)AY FOR PEACE(プレイフォーピース)』プロジェクトに参加しています。

試合時の『PR(L)AY FOR PEACE(プレイフォーピース)』コンセプトルーム
試合時の『PR(L)AY FOR PEACE(プレイフォーピース)』コンセプトルーム (画像:長崎スタジアムシティ)
宿泊時の『PR(L)AY FOR PEACE(プレイフォーピース)』コンセプトルーム
宿泊時の『PR(L)AY FOR PEACE(プレイフォーピース)』コンセプトルーム (画像:長崎スタジアムシティ)

ホテルの受付ロビーから見下ろすピッチビューは、世界でも非常にユニークな眺めを提供してくれることになり、また、同じフロアの朝食会場での飲食体験も特別なものとなること間違いありません。さらには、ホテル内のプールやサウナ、そして天然温泉の大浴場までがピッチビューを提供しているのです。

ピッチやスタンドの眺めを楽しむことができる朝食会場
ピッチやスタンドの眺めを楽しむことができる朝食会場 (画像:Naoki TSUKUSHI/THE STADIUM HUB)
ピッチビューを楽しめるプール
ピッチビューを楽しめるプール (画像:長崎スタジアムシティ)
ピッチを眺めながらリラックスできるサウナ
ピッチを眺めながらリラックスできるサウナ (画像:長崎スタジアムシティ)
天然温泉の大浴場からの眺めも最高
天然温泉の大浴場からの眺めも最高 (画像:長崎スタジアムシティ)

さらに北側コンコース2・3Fには、日本初となるクラフトビール醸造ブルワリーの『THE STADIUM BREWS NAGASAKI』でスタジアムオリジナルのビールを堪能できます。試合がなくても、仕事帰りや交遊で気軽に寄れる場所が増えたのは、地域にとって幸せなことではないでしょうか。

THE STADIUM BREWS NAGASAKI の醸造タンク
THE STADIUM BREWS NAGASAKI の醸造タンク (画像:Naoki TSUKUSHI/THE STADIUM HUB)

後編はこちらから

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