(取材と文、写真・筑紫直樹)
こんにちは。編集部の筑紫です。
広島の平和の翼、エディオンピースウイング広島の杮(こけら)落しから僅か1週間。今度は北陸の古都、金沢市の新たなフットボール専用スタジアムで、J3のツエーゲン金沢の本拠地となる金沢ゴーゴーカレースタジアム(正式名称:金沢スタジアム)が杮落しを迎えるということで、現地を取材しました。
今回は、直前まで九州で仕事していたため、車や鉄道などの陸路以外で金沢に行けるスムーズな行き方を探してみたところ、福岡から小松まで飛んでいる直行便がありました。ジェット機と比べるとやや小さめのプロペラ機でしたが、天気が良かったせいか、ほとんど揺れずに快適なフライトで、早い段階で予約すると価格もそこまで高額ではないので、九州のJリーグクラブのサポーターの方々にはおススメの航路です。
杮落し当日のアクセスの取材もしたかったので、広島に続き今回も前日入りし、弊サイトの運営会社である株式会社ウフルのスタジアムソリューション『売り子ール』の担当者らと翌日のツエーゲン金沢の新たな試み(詳細は後章に)について打ち合わせし、杮落しの取材準備を整えます。
いざ、新スタジアムへ
2024年2月18日(日)のJR金沢駅東口には、晴天の青空と鼓門のマリアージュをカメラに収めようと、多くの観光客が記念撮影に勤しんでいました。完全に金沢を象徴する建築のひとつになっています。
午前11時に反対側の西口から、新スタジアムに直行する無料のシャトルバスの第一便が出発するということで、10:30にバス停に行ってみると、すでに長蛇の列が出来ていました。ほとんどがツエーゲン金沢のサポーターでしたが、この日の記念試合の対戦相手である、同じく北陸の雄であるカターレ富山(J3)のサポーターも数人いました。10:55頃、出発時刻が近づくにつれ延びていく待機列を横目に、北鉄金沢バスのシャトルバスが到着。非常スムーズな乗車で11時ちょうどに出発したオペレーションの手際の良さには驚きました。
金沢駅を出発して約10分、早くも新スタジアムが見えてきました。すでにツエーゲンのユニフォームやグッズを身に纏ったファンやサポーターがスタジアム前のグッズショップなどに集まり、12時の開場を待っています。
スタジアムがある城北市民運動公園の南駐車場は、Jリーグチケットの「ツエチケ」で料金1,000円(税込)を事前に支払うことで利用できるため、多くのファンやサポーターが車で来場していたようです。なお、精算機はなく、当日現金で駐車料金を支払うことはできないため、今後、車での来場を検討している方は要注意です。
地位向上を物語る充実のスタグッズ
さて、今回はスタジアムグッズが何点か販売されることを事前の告知で確認していた筆者もショップの中を覗いてみました。まず、今回は新スタジアムのデザインのタオルマフラーとペーパークラフトが販売されていました。ペーパークラフトの完成度は非常に高く、スタジアム模型にかぎりなく近いスタジアムグッズといえるでしょう。嬉しいことに、多くの来場客がこのペーパークラフトを購入しており、思いがけず日本社会におけるスタジアムの地位向上を目撃することができました。
オープニングマッチユニフォームに彩られたスタジアムへの想い
また、金沢ゴーゴーカレースタジアムを本拠地として利用することになるツエーゲン金沢は、この日の記念試合だけの1試合限定で特別なオープニングマッチユニフォームを着用することを発表していました。さらに、このオープニングマッチユニフォーム、なんと、新スタジアムのスタンドのグラデーションやペデストリアンデッキといった建築的特徴がデザインに盛り込まれており、金沢ゴーゴーカレースタジアムへの愛着、そして、杮落しへの意気込みをヒシヒシと感じさせるものになっているのです。
そのオープニングマッチユニフォームは、2023年11月から予約を受け付けしているものではあるものの、当日はこのユニフォームを着たぬいぐるみなどの商品も販売しており、一連のオープニングマッチユニフォーム関連商品は、杮落し限定グッズと認定できるかもしれません。
さらに、フットボールビジネスの本場の欧州(特にイングランド)でもなかなか見ない非常にユニークな光景として、この日はバックスタンド下の場外のイベントスペースに、このオープニングマッチユニフォームのネームと番号を圧着する特設ブースが出店していました。前述のとおり、このオープニングマッチユニフォームは前年の11月から予約の受付はしており、2024年2月23日現在もクラブのオンラインショップで購入できるものの、実はこれまでも現在もネームや番号の販売はしていなかったのです。当初はハーフタイム終了までのサービスでしたが、あまりにも購入客が多かったため、急遽後半もブースを開けることになったとか。この日、スタジアムに訪れたファンやサポーターには、とても嬉しいサプライズだったのではないでしょうか。
開場の12時に先立ち、ホームゴール裏の南スタンドの入場口付近では、金沢市の村山市長や野々村芳和Jリーグチェアマン、スタジアムのネーミングライツ(命名権)を獲得したゴーゴーカレーグループの西畑誠社長などによるテープカットが行われました。そして、12時、会場の合図とともに大勢の真っ赤なツエーゲンサポーターたちが入場。いよいよ金沢にとって特別な一日が始まります。
後章はこちらから
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