豪キャンベラの共同事業体、新スタジアム計画を発表
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新スタジアムの俯瞰イメージ
新スタジアムの俯瞰イメージ (画像:Canberra Airport)

オーストラリアの首都キャンベラを拠点とする共同事業体は、都心部に新スタジアムを建設する構想を発表した。同共同事業体を主導しているのはキャンベラ空港を所有者するスノウ家で、構想はニュージーランドのクライストチャーチ市にある『ワン・ニュージーランド・スタジアム』を参考にまとめられた。

世界水準の多目的スタジアムの建設を呼びかけているキャンベラ空港は、今回の建設計画について「都心部の活性化を図り、スポーツやコンサート、大規模イベントの新たな拠点を生み出す、またとない機会」と述べている。

同スタジアムは、オープンエンド型のスタジアム(施設の短辺側を開放した構造)として計画されており、スポーツでは2万5,000人、コンサートやその他の大規模イベントでは3万5,000人を収容する予定だ。提案者側は、都心部にスタジアムを整備することで、来場者のアクセス手段としてキャンベラのLRT(次世代型路面電車システム)網を最大限活用できるほか、バス停、ホテル13軒、近隣の繁華街であるシビック地区のレストラン・バー26軒も徒歩圏内となることを利点に挙げている。

外部の景観を取り込むオープンエンド型のスタジアム内部イメージ
外部の景観を取り込むオープンエンド型のスタジアム内部イメージ (画像:Canberra Airport)

建設候補地は、レガッタ・プレイス地区にあるオーストラリア連邦政府の所有地で、キャンベラ・グールバーン・カトリック大司教区の指導者が、かつて住居兼公邸として使用していた大司教館が含まれている。キャンベラ空港によると、カトリック教会との協議は前向きに進んでおり、現在も継続中だという。

2026年3月27日、同スタジアム構想の参考となった『ワン・ニュージーランド・スタジアム』が開業の日を迎えた。翌月の4月には、こけら落としとなる初の大規模イベントが開催され、6月には建設を主導したクライストチャーチ市議会がスタジアムの最終建設費を公表。総事業費は6億5,655万7,018NZドル(約584億円)で、当初予算を2,600万NZドル(約23億円)下回ったという。

キャンベラのスタジアム計画を推進する関係者らは、新スタジアムをキャンベラの特性に合わせた独自の設計とする方針を示しつつも、一方で、クライストチャーチの事例について「都心型スタジアムが来訪者の体験を大きく向上させ、経済活動を支え得ることを示す説得力のある事例」と評価し、新スタジアムの構想を練る上で着想を得たとしている。

キャンベラ空港のスティーブン・バイロン最高経営責任者(CEO)は次のように述べた。

「キャンベラには、人々を結び付け、経済成長を促し、街の中心部に活気をもたらすとともに、街に住む人々の誇りとなるようなスタジアムが必要です。

このスタジアム計画は、サポーターや来場者の体験向上を図ると同時に、これまで誘致できなかった大規模イベントの開催を可能にし、地域の雇用創出や事業者の支援にもつながるものとなるでしょう」

キャンベラ空港、計画の実現可能性を検証

今後、キャンベラ空港は企業、政府、スポーツ関係者、そして地域社会の関係者と連携し、建築物の設計、建設費の試算、そして経済・社会的影響に関する独立評価を行うことで、この構想の実現可能性を検証する。

同検証は、キャンベラ空港のマイケル・トムソン航空部門責任者が主導する予定で、同氏は、プロジェクト管理や政府との調整、地域社会との協議などに関する空港内の各チームの知見や調整能力を活かしながら、計画の策定と検証を進めるとしている。

キャンベラ空港は、観光の振興や地域社会への利益創出、都心部の活性化を目指して、同構想の推進と実現可能性の検証を進めていると説明した。また、計画の策定には協力する意向を示す一方、スタジアムを所有する考えはなく、建設計画や施設の運営において継続的な金銭的利害関係を持たないことも明らかにしている。

活性化するキャンベラ中心部の俯瞰図
活性化するキャンベラ中心部の俯瞰図 (画像:Canberra Airport)

新設・改修の両案を経て浮上した新スタジアム計画

共同事業体が構想する新スタジアムは、既存のGIOスタジアムに替わる施設となる可能性がある。2026年9月、オーストラリア連邦政府は『ブルース地区開発計画』の策定に998万オーストラリア豪ドル(約11億円)を拠出する決定を下した。同地区開発計画では、キャンベラのスタジアムを新設または改修する2つの案が示されている。

『ブルース地区開発計画 最終シナリオ報告書』で示された新スタジアムの建設が含まれる案は、地区中央部を東西に走る中核エリアの大規模な再開発を軸とするものだ。この案では、2万5,000人収容の『GIOスタジアム』を含むキャンベラ工科大学(CIT)のキャンパスを移転し、同エリアの土地利用を一旦リセットして再編することにより、地区中心部にスタジアムを整備できるとしている。

一方、既存スタジアムの改修を含む案は、GIOスタジアムなどの既存の主要施設をつなぐ「中心軸」を設け、その軸を基盤として地区全体を開発するというものだ。この案では、将来的な「地区の特性を生かしたまちづくり」に備えて中心軸沿いの土地を確保し、住宅や商業施設などを組み合わせた複合開発を誘導する。これにより、スタジアムやCITキャンパスといった主要施設および周辺地域の一体的な再開発を促進することができる。

共同事業体が発表したスタジアム構想について、連邦政府のケイティ・ギャラガー財務相は「もし大司教館の土地が利用可能になれば、同建設計画はこの土地の最善の活用方法を検討するための絶好の機会となるだろう」と述べ、一定の条件付きながら支持する姿勢を示したとキャンベラ・タイムズ(Canberra Times)は報じている。

さらに、オーストラリア首都特別地域(ACT)政府の財務相兼スポーツ相であるクリス・スティール氏は次のように述べた。

「コモンウェルス・パークの隣接地にスタジアムを建設する構想のコンセプト画像を見ましたが、素晴らしいものでした。ただし、同地にスタジアムを設置するにあたっては、まだ実務面で検討すべき問題が数多くあります。

これまでの調査でも検討されてきましたが、イベント開催日の会場までの人流動線や混雑緩和の問題、交通手段、そして駐車場の確保など、さまざまな課題について検討が必要になるでしょう」

※金額はすべて2026年10月上旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Stadium proposal put forward for Canberra

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