バレンシア、ノウ・メスタージャの飲食サービスパートナーに米・アラマークを選定
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ノウ・メスタージャの外周コンコースの飲食売店のイメージ
ノウ・メスタージャの外周コンコースの飲食売店のイメージ (画像:Valencia CF)

スペインのサッカー、ラ・リーガEAスポーツ(1部)のバレンシアCFは、建設中の新スタジアム『ノウ・メスタージャ』で提供する飲食サービスの戦略的パートナーとして、米国のアラマーク(Aramark)社を選定した。

業界大手数社が参加したとされる競争を勝ち抜いた同社は、2027年夏のスタジアム開業から、クラブの飲食部門の運営を全面的に請け負う予定で、クラブと同社が密に協力することで、"トップレベルの美食体験"がノウ・メスタージャの大きな特徴となることを目指している。

また同社は、世界の名だたるスタジアムで培ったノウハウを駆使し、効率的かつ高品質で、多様な観客層に対応した運営を実現することで、ファン体験の向上にも繋げようとしている。

今回の選定により、アラマークは広さ1,000m2のセントラルキッチンを含む設備を使用できるようになり、スタジアム内にある全52ヵ所のバーや飲食店などの販売拠点の管理・運営を一任される。

同社は、各ホスピタリティスペースのケータリングやファンゾーンの飲食サービスの提供を行なうほか、バーではオリジナルブランドを展開し、地中海の食材やレシピを取り入れたストリートフードスタイルの食事を提供する。

このようにアラマークは、様々なレベルの体系的な美食体験メニューを提供する予定だが、一方で、美食体験を取り巻く空間や技術といったインフラ面でも、いくつかの取り組みを実施する。

まず、ファンゾーンを、試合前にファンや家族、友人が集う場所として、テーマ性のある心地の良い空間に設計する。

また、セルフサービスのキオスクや決済システム、無人店舗などを導入し、サービス効率化と購買プロセスの最適化を図ることで、技術革新によるユーザ体験向上の基盤形成も行なう。

さらに、バレンシアファン専用に設計された公式オンラインサービス『ファン・アラマーク(Fan Aramark)』を導入し、サービス情報、限定プロモーションへのアクセス他、試合前の飲食物の事前注文などの機能も提供する予定だ。

試合日の外観イメージ
試合日の外観イメージ (画像:Valencia CF)

環境の持続可能性への配慮も、アラマークの取り組みの特筆すべきポイントだ。新スタジアムは、効率的なエネルギー管理、責任ある資材の使用、持続可能な空間づくりを通じ、環境負荷を最小化するよう設計されている。この理念は、食品廃棄の削減、使い捨て容器の最小化、持続可能な美食体験の提供を目指すアラマークのプログラム『Be Well. Do Well.』とも一致している。

2009年2月以降、工事が中断されていたノウ・メスタージャだったが、2024年11月、バレンシアCFは、融資の借り換えを完了させ、目標としていた2025年1月の工事再開を実現させた。

工事の再開とともに、クラブはノウ・メスタージャを2027年夏に完成させることを表明し、2027-28シーズンまでに新スタジアムへ移転する目標を掲げた。

2025年6月、バレンシアCFは、3億2,200万ユーロ(約557億円)相当の資金調達に成功したことを発表。クラブは、契約規模、基本条件、そして影響度の観点から、この資金調達は欧州のサッカークラブとしては最大級の大型契約であり、ついにノウ・メスタージャ完成への道が開けたと主張したが、これは、2024年11月に完了した融資の借り換えによって生まれた勢いをさらに高めることを狙ったものだった。

さらに同年8月、クラブは欧州サッカー界有数の命名権契約の獲得を目指し、ノウ・メスタージャの命名権パートナーの確保に向けて調査を開始。

調査にあたりクラブは、同年5月にエヴァートンFC(英1部)の新本拠地『ヒル・ディキンソン・スタジアム』の命名権契約を成立させた実績をもつ、エレベート(Elevate)社を起用した。

バレンシアCFのハビエル・ソリスゼネラルディレクターは次のように述べた。

「アラマークとの提携により、我々は、世界中の最高のスタジアムにおいて豊富な経験をもつパートナーを獲得したことになります。

この契約により、バレンシアファンは、スタジアム内およびファンゾーン内にある多数の飲食店にて、最高の美食体験をお楽しみいただくことができ、また、ホスピタリティエリアでも最高級のケータリングサービスを受けることができます。さらに、技術革新も、あらゆる試合やイベントで最高のサービスを保証するための鍵となるでしょう」

2023年11月、アラマークは、ラ・リーガおよびスペインサッカーとのつながりを強化するため、先駆的な長期パートナーシップ契約を締結した。

同社は今やスペイン内で強力な存在感を示しており、Spotifyカンプ・ノウ、リヤド・エア・メトロポリターノ、サン・マメス、RCDEスタジアム、エスタディオ・ベニート・ビジャマリンなど、国内の主要なスポーツ施設9か所で、試合日ごとに約40万人を対象にサービスを提供している。

アラマークのスペイン事業ディレクター、マリオ・ロドリゲス氏は次のように述べた。

「ノウ・メスタージャは間違いなく、世界最高のスタジアムの一つとなるでしょう。我々は100年の歴史をもつクラブと手を取り合い、このスタジアムが目指しているリーダーシップ、革新性、卓越性というビジョンを実現できることを誇りに思います。

我々はこの変革的なプロジェクトを通じ、バレンシアCFのファン体験としてふさわしい美食体験を提供できるよう、努めてまいります」

※金額はすべて2025年9月上旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Aramark builds Spanish presence with Nou Mestalla contract

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