野球の北米最高峰、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)のニューヨーク・メッツの本拠地『シティ・フィールド』は、ボールパークにおけるファン体験向上のため、Airbnb(エアビーアンドビー)とパートナーシップ契約を締結した。
2021年7月上旬、ファンの間で『スポーツ選手と交わされた史上最悪の契約』と知られカルト的な人気を博している「ボビー・ボニーヤの日(Bobby Bonilla Day)」とのコラボ企画として、Airbnbとの契約が発表された。ボビー・ボニーヤは、1980年代後半から1990年代にかけて活躍したニューヨーク出身の選手で、1992年にピッツバーグ・パイレーツからメッツに移籍した際は、当時のメジャー最高額となる契約金を手にしていた。だが、膝の怪我の影響で苦しんだ1999年シーズンを119打数18打点、打率.160という成績で終えると、2000年1月には放出された。
だが、放出が決まった時点でメッツとボニーヤには2シーズン分の590万米ドル(約6.5億円)の契約が残っており、交渉の結果、メッツは契約金の一括払いではなく、2011～2035年の25年間で毎年7月上旬に119万3,248ドル20セント(約1億3,154万3,040円)を25回払いする契約に合意。最終的にボニーヤには2,983万1,205米ドル(約32.9億円)が支払われることになってしまった。このため、2001年にセントルイス・カージナルスで現役引退したはずのボニーヤに対し、未だにメッツが支払いを続けているという奇妙な契約関係が存在し、毎年7月上旬は米国の野球ファンの間では話題のトピックとして注目を集めている。
シティ・フィールドでのAirbnb体験には、ボニーヤ自身がホストとして宿泊客を迎えることも発表された。今回の企画は1泊2日限定の特別企画で、当選した幸運な宿泊客はVIPスイートルームでホットドッグ食べ放題とドリンク飲み放題を満喫しながらデーゲーム1試合とナイター1試合を楽しむことができる。
VIPスイートでの1泊の宿泊のほかに、滞在中にボールパーク内のメッツジムを利用することも可能だ。さらに、2021年7月下旬のナイターにおける始球式での投球もパッケージに含まれている。
参加できるのは最大4人までの1組で、料金はたったの250米ドル(約2万7,550円)＋手数料のみ。抽選への応募は2021年7月上旬から受け付けている。
ボニーヤ氏は、自身の記念日にちなんだこの特別企画について次のように話した。
「ニューヨーカーとして生まれ育ち、この街で長年選手としてプレーしてきた自分にとって、メッツファンは特別な存在なんだ。シティ・フィールドの緑の座席にファンのみんなが戻ってくる姿を見るのが楽しみだよ。
今年は、Airbnbのホストとしてメッツの企画に自分も参加するから本当に楽しみだ。当選客には、シティ・フィールドで過ごす特別な時間を楽しんでもらいたいね」
なお、同様の企画では、2019年7月にニュージーランドのオークランドのイーデン・パーク(収容人数6万人)がAirbnbとのパートナーシップで世界初のスタジアム・グランピングを実施した。
また、2017年には、ミュンヘンで開催されたプレシーズン大会のアウディ・カップ期間中に、アリアンツ・アレーナのピッチサイドで宿泊する企画が実施され、幸運な家族が特別な夜を過ごした。
さらに2020年、野球のMLB傘下のマイナーリーグ(MiLB)に所属するペンサコーラ・ブルーワフーズとセイレム・カイザー・ボルケーノーズの2球団が、新型コロナウイルスの影響による経営不振を打破するため、ファンがそれぞれの本拠地ボールパークで宿泊できるよう、Airbnbで宿泊予約を募ったこともあった。
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元記事 - Mets fans offered Airbnb experience at Citi Field
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