ヴェネツィア市が新スタジアムと屋内アリーナの整備を含むスポーツ地区開発案を公表
ヴェネツィア市が新スタジアムと屋内アリーナの整備を含むスポーツ地区開発案を公表

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ヴェネツィアFCの新スタジアムの完成イメージ
ヴェネツィアFCの新スタジアムの完成イメージ (画像:Municipality of Venice)

イタリア北部のヴェネツィア市は、サッカーのセリエAでプレーするヴェネツィアFCの新たな本拠地となる1万6,000席のスタジアムと1万席の屋内アリーナを整備するスポーツ地区開発計画『ボスコ・デロ・スポルト(Bosco dello Sport=スポーツの森)』プロジェクトの概要を公表した。

市は『ボスコ・デロ・スポルト』プロジェクトをテッセラ地区で推進するとしており、総事業費は3億3,380万ユーロ(約445.4億円)。公募により地元企業の参加も促す。同プロジェクトでは新スタジアムと屋内アリーナ以外に、ボスコ・デロ・スポルトとヴェネツィア・テッセラ空港を結ぶ道路網の整備、スポーツ地区内の商業化、景観整備、教育施設の整備なども実施される。

ボスコ・デロ・スポルトの経済的および財務的な持続可能性を実現するため、総事業費のうちの9,350万ユーロ(約125億円)がイタリア政府の国土復旧・強靭化計画(National Recovery and Resilience Plan=PNRR)から、そして1憶8,990万ユーロ(約253億円)がヴェネツィア市からスポーツ地区の多機能化事業に割り当てられる。

ヴェネツィアFCと市は2018年7月にも同クラブの新たな本拠地を整備する計画を発表していたが、市は計画を全面的に見直し、約79ヘクタールの広大な緑地に持続可能でエコロジカルなスポーツ施設群を整備する方針に切り替えた。市はスタジアムと屋内アリーナが「緑地の中心部に建つ象徴的な存在になる」と期待しており、ミラノ・コルティナ冬季五輪・パラリンピックが開催される2026年までの完成、そして大会での使用を目指す。

また、ヴェネツィア市は、新スタジアムは主にサッカーでの使用を想定してはいるものの、15人制ユニオン式ラグビーなどの他の競技での使用も視野に入れているという。

屋内アリーナの完成イメージ
屋内アリーナの完成イメージ (画像:Municipality of Venice)

ヴェネツィアFCは現在、1913年に開場し、長い歴史を誇るスタディオ・ピエル・ルイジ・ペンツォを本拠地としているが、同スタジアムは水の都のスタジアムということもあって、ボートが主なアクセス手段となっていることで知られる。歴史的な施設のため、当然ことながら老朽化も進んでおり、クラブがセリエAに復帰した2021-22年シーズンには部分的な改修を必要とした。

ヴェネツィアFCは、市が公表した『ボスコ・デロ・スポルト』プロジェクトについて次のように話した。

「ヴェネツィアFCは、『ボスコ・デロ・スポルト』プロジェクトがスポーツ全体を支援し、ヴェネツィア地方の成長に極めて重要な社会的影響を与える一大事業であると考えております。

また、弊クラブのファンの皆様には、クラブは新スタジアムが完成するまで、今後もスタディオ・ピエル・ルイジ・ペンツォでの観戦体験向上に必要な設備投資を継続していく方針であることをお伝えしたく思います」

新スタジアムに隣接する予定のアリーナは最大1万席で、屋内スポーツやエンターテインメント興行の開催を想定している。『ボスコ・デロ・スポルト』は教育とスポーツの発展を主目的としており、スタジアムとアリーナ以外にも小規模スポーツ施設や五輪開催基準を満たすアクアティクスセンターの整備も予定しているが、ヴェネツィア市によると、それらの事業費についてはまだ合意には至っていないとのことだ。

屋内アリーナ側から見た新スタジアム
屋内アリーナ側から見た新スタジアム (画像:Municipality of Venice)

ヴェネツィア市のルイジ・ブルニャーロ市長は、『ボスコ・デロ・スポルト』プロジェクトについて次のように説明した。

「テッセラに建つ予定のボスコ・デロ・スポルトは、市が推進する公共インフラ整備計画の中核となる事業で、健康や運動、知識、人類の発展といったすべての要素を結びつけるものです。

そして、この地域のすべてのスポーツ活動の牽引役となっているのが、プロスポーツの存在です。ヴェネツィアは、イタリアで唯一真っ当なスポーツ施設がない都市です。過去40年間、プロスポーツ興行にふさわしいスポーツ施設の整備を願ってきましたが、年中無休のスポーツ地区の誕生というかたちで、多くのヴェネツィア人の夢がようやく叶うのです。

現時点ではヴェネツィア市への誘致が難しく、他の州や都市で開催されている主要イベントも、1万6,000席のスタジアムと1万席の屋内アリーナがあれば誘致しやすくなります。

また、このプロジェクトがエコや環境に主軸を置いていることも嬉しいかぎりです。以前のデザイン案では60万m2の商業施設、ビジネスオフィス、観光客向けホテルなどの整備も含まれていましたが、今回はスポーツ施設を中心としたのエリア開発に絞り、緑地部分を合計115ヘクタールに広げました。環境面で持続可能なエリア開発をすることは重要なポイントであり、幅広い共感を得られると考えております」

新スタジアム側から見た屋内アリーナ
新スタジアム側から見た屋内アリーナ (画像:Municipality of Venice)

※金額はすべて2022年3月下旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - VENICE PRESENTS PLANS FOR STADIUM AND ARENA COMPLEX

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