イングランドのサッカー、フットボールリーグ2(4部)のフォレストグリーン・ローヴァーズのデイル・ヴィンス会長は、BBCラジオ2の『ジェレミー・ヴァイン・ショー』に出演し、クラブが建設予定の木造スタジアム『エコパーク・スタジアム』の安全性とエコスタジアムの信憑性に対する批判について反論した。
ヴィンス会長は木造スタジアムの安全性は保証されていると話し、次のように説明した。
「スポーツで使用されるスタジアムから生まれる二酸化炭素排出量の実に75%は、その建材に由来するものです。木材は古き良き建材であるだけでなく、現代では難燃性の高い建材に加工できるのです。
また、火災などの高温において、鉄骨で組んだ構造は崩落しますが、木材はゆっくりと時間をかけて炭化していくため、むしろ木材の方が安全性が高い部分があるともいえます。最近のスタジアムは災害発生時に数分で避難できる設計になっており、観客がスタジアムの火災に巻き込まれることはありません」
フォレストグリーン・ローヴァーズは、国連が認めた世界で最もエコフレンドリーなサッカークラブとして知られている。同クラブが建設を目指す5,000席の新スタジアムについては、2019年6月に一旦はストラウド地域議会の開発委員会が建築開発許可申請を否決し、ヴィンス会長は「馬鹿げている」と批判していた。
だが、クラブは諦めずに2019年8月に再申請に踏み切り、それを受けて12月の開発委員会は賛成6票対反対4票で計画を承認し、クラブの念願であった建築開発許可の取得が実現した。エコパークは2016年11月にクラブが選定したザハ・ハディド・アーキテクツ(Zaha Hadid Architects)のデザインによるスタジアムで、M5高速道路のJCT13付近に建設される予定だ。
また、ヴィンス会長は、多くのファンやサポーターにとって、エコパーク・スタジアムへの移動距離が長くなるという理由から同スタジアムはエコでないという批判に対し、次のように反論した。
「スタジアムに行くための移動がエコではないという議論は、スポーツ観戦に関する環境への負荷という意味では一理あるかもしれませんが、プロジェクト全体の意義と比較すると大きな問題とはいえません。
移動はスポーツ観戦が抱える問題と捉えている方もいらっしゃいますが、エコパークに来場する多くの観戦客は地元のホームサポーターですし、スポーツは多種多様な方法でエコプロジェクトになりえるので、私はこのことが大きな問題だとは考えておりません」
世界でも稀なヴィーガンクラブのフォレストグリーン・ローヴァーズは、2006年から収容人数5,100人のザ・ニュー・ローンを本拠地としている。フットボールリーグ2に昇格する前から、エコクラブとして活動し、木造の新スタジアム建設を表明するなど、世界の注目を集めてきた。
Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - FOREST GREEN CHIEF RESPONDS TO STADIUM CRITICS
THE STADIUM HUBの更新お知らせはこちらをフォロー
Twitter:@THESTADIUMHUB
Facebook:THE STADIUM HUB