編集者コラム 番外編 どこよりも詳しい!AFCアジアカップUAE 2019 スタジアムレポート(後編) ~ アル・アイン、アブダビ編 ~
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前編はこちらから

それでは、後編のアル・アイン、アブダビ編です。

❶KHALIFA BIN ZAYED STADIUM (アル・アイン)

KHALIFA BIN ZAYED STADIUM
(撮影:有川久志)

アル・アインという街は、隣国オマーンの国境までわずか5kmに位置します。このスタジアムは1971年に設立され、2002年に改修工事を行いました。

後程ご紹介するHAZZA BIN ZAYED STADIUMが2014年に出来るまでは、Al Ain(アル・アイン)のホームスタジアムでしたが、今はクラブとアカデミーの練習場として使用されています。

Al Ainは、2018年に行われたAFCチャンピオンズリーグの決勝戦で鹿島アントラーズと対戦するなど、UAE屈指の強豪クラブとして知られています。

このスタジアムの特徴はそのロケーション。UAEで最初の世界遺産となったアル・アイン・オアシスまでも歩いていける距離にあります。そして、近くに岩山が連なり、チケットを持たない人たちが、登って観戦する姿が見られました。

メインスタンドからバックスタンドを見ると、岩山が夕刻に染まって得も言われぬ幻想的な雰囲気を醸し出すのに酔いしれながら、「岩山で観戦している人たちは帰りは暗いのにどうやって降りるのだろう?」と心配になりました。

バックスタンド側の岩山とは対照的に、メインスタンド側から出て少し歩くと巨大なショッピングモールがあります。メインスタンドとバックスタンド、それぞれの場外に異なる世界観がある、不思議なスタジアムでした。

KHALIFA BIN ZAYED STADIUM
(撮影:有川久志)

❷HAZZA BIN ZAYED STADIUM (アル・アイン)

HAZZA BIN ZAYED STADIUM
(撮影:有川久志)

アラビアン・ガルフ・リーグに所属する強豪Al Ainのホームスタジアム。45,000m2の敷地に、アル・アインの街で最も高い50メートルの屋根を備える威容を誇り、収容人数は25,000人です。

スタジアム正面は、UAEの伝統と遺産であるパームツリーの幹を表現。屋根部分は、曲がりくねった釣り構造になっています。反対側は全く違う意匠になっており、高いデザイン性を感じるつくりになっています。

HAZZA BIN ZAYED STADIUM
(撮影:有川久志)

ロシアワールドカップ予選でもUAE代表チームの試合で使用され、2016年のAFCチャンピオンズリーグ決勝の地でもあります。

そのデザインもさることながら、周辺も印象深く、ゴールドジムやオフィス棟、ホテルに加え、ゴディバなどおしゃれなカフェも入る洒落た飲食モールが連なっており、さながら「アル・アインの代官山」的な印象さえ感じます。

Al Ainの2つのスタジアムの座席は、ともにAl Ainのチームカラーである紫、白、薄紫のコンビネーションになっています。

試合は、韓国がキルギスを圧倒するも、多くの決定機を外し、韓国サポーターのため息が屋根に反響してスタジアムにこだましていました。帰り際に振り返ると、フィン状の構造物が連なるスタジアム正面が紫色に染められ、来場時よりもさらにお洒落に見えました。

HAZZA BIN ZAYED STADIUM
(撮影:有川久志)

アル・アインの各スタジアムの位置関係

❶AL NAHYAN STADIUM (アブダビ)

AL NAHYAN STADIUM
(撮影:有川久志)

アブダビの中では最も新しく、アブダビのバスターミナル(ドバイから来るバスも発着する)に隣接する中心部にあるスタジアム。1995年オープン時には、当時のUAE国王の隣に日本の成人親王の姿もあった日本には馴染みの深いスタジアムです。

通常時は、UAEで4度リーグ優勝をしているAl Wahda(アル・ワダ)のホームスタジアムでもあります。今回のアジアカップのために、11,400人から15,000人収容に改修されました。

こじんまりとした、朴訥なスタジアムの印象でした。スタジアム正面の角状の縦柱が、デザイン上ではアクセントになっています。日本で例えると、地方の陸上競技場のような雰囲気を持った建物が街中にある感じです。

日本代表がこの規模のスタジアムで試合をするということが、「アジアカップに来たんだな」という気にさせてくれました。

AL NAHYAN STADIUM
(撮影:有川久志)

❷MOHAMMED BIN ZAYED STADIUM (アブダビ)

テキストテキスト
(撮影:有川久志)

今大会の会場で、唯一試合観戦をせず、視察のみだったスタジアムですが、印象は強烈でした。

なんといっても印象的なのはコーナー2か所にそびえたつビル。オフィスビルかと思ったのですが、居住(マンション)棟のようです。窓からスタジアムは丸見えです。この構造は世界でも類を見ないのではないでしょうか。

Al Jazira(アル・ジャジラ)のホームスタジアムで、1979年の開設当初は15,000人収容の競技場であったものを、2006年から改修工事をスタートし、2009年までに42,000人に増やし、その際、最新鋭の空調設備を備えるようにした、とのこと。

スタジアムに入ると、スタンドの急勾配ぶりが、スペイン・バレンシアの本拠地メスタージャを想起させてくれました。

アブダビのAl Muroor地区の中心に位置し、病院やブティックホテル、オリンピックサイズのプールなども周辺に展開しています。クラブワールドカップの舞台として、2009年、2010年、2017年。ロシアワールドカップ予選もこの地を中心に行われました。

テキストテキスト
(撮影:有川久志)

❸ZAYED SPORTS CITY STADIUM (アブダビ)

テキストテキスト
(撮影:有川久志)

1980年開場で、前回UAEがホスト国だった1996年のアジアカップの決勝も行われた、UAE屈指の歴史とモダンを組み合わせたようなスタジアムです。今から40年ほど前のデザインとは思えない印象でした。

スタジアムはザイード・スポーツ・シティ内にあり、周辺にはテニススタジアム、アイスホッケー場、ボウリング場などがあります。

2003年にFIFAユースワールドカップ、そしてガルフカップの舞台にもなりました。更に、2009年と2010年にはクラブワールドカップの決勝の会場、2013年にはFIFA U-17ワールドカップ、FIFAクラブワールドカップの会場にもなっています。
※アラブサッカー連盟(UAFA)が主催する、ペルシア湾岸諸国のナショナルチームによるサッカーの国際大会

印象的なスタジアム正面のアーチ。外周にはポールが円状に配置されていて、開催国UAEの国旗がはためいていました。そして外壁やプレスルームに木が使われているのが特徴で、今大会の決勝の場としてふさわしい雰囲気を持っていました。

椅子のカラーリングはブルー・ホワイト・イエローと、2004年のヨーロッパ選手権の開催地・ポルトガルに近いくらい明るかったです。また、バックスタンドセンターにメインビジョンがあるのも新鮮でした。

試合は、1-0で日本がオマーンに勝利。オマーンと日本は同じくらいのサポーターの数でしたが、声量ではオマーンが圧倒していました。

今年のアジアカップ決勝の舞台はこのスタジアム。果たして日本は帰って来ることができるのでしょうか!?

テキストテキスト
(撮影:有川久志)

アブダビの各スタジアムの位置関係


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