編集者コラム 番外編 どこよりも詳しい!AFCアジアカップUAE 2019 スタジアムレポート(前編) ~ ドバイ、シャールジャ編 ~
編集者コラム 番外編 どこよりも詳しい!AFCアジアカップUAE 2019 スタジアムレポート(前編) ~ ドバイ、シャールジャ編 ~

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編集長の有川です。

決勝トーナメントに入り、益々盛り上がりをみせるAFCアジアカップ。

4年に一度のこの大会は、ヨーロッパ選手権や南米選手権ほどではありませんが、東西に広いアジアをまたにかけ、ここ数大会盛り上がり(観客動員も)が加速している印象を受けます。

3年後のワールドカップ開催地は、隣国のカタールということもあり、中東諸国の力の入れようは、監督の人選にも見てとれますね。

今回のアジアカップ、UAE(アラブ首長国連邦)が1996年大会以来のホスト国となり、8つのスタジアムが会場となっています。

そこで私は編集部の筑紫と、中東のスタジアムをレポートするために、新年早々、アジアカップ開催の地・UAEへ行って参りました。

我々は会場となった8つのスタジアムをすべて訪問し、試合観戦(7試合)と視察(1会場)してきました。2回に分けてレポートします。

下付きテキスト
(撮影:有川久志)

UAEは"タクシー"移動がオススメ

スタジアムレポートの前に、地理的な説明をさせてください。

UAEでは、首都のアブダビ、観光地として世界的に有名なドバイ、UAE初の世界遺産があるアル・アイン、が3大都市になります。それぞれが大体120~140km位の直線距離に三角形の形に位置していて、高速道路で結ばれています。

メトロやモノレールもあるドバイに比して、アブダビやアル・アインは公共交通が非常に乏しく、観光客は基本的にタクシーでの移動になります。ただ、「100kmを超える距離は流石にバス移動かな」と我々も考えたのですが、UAEはタクシーが安いんです!

その距離を移動しても250~300ディルハム、日本円にして7,500円~9,000円なのです。バスより圧倒的に早いので、"時は金なり"、スタジアムを見逃してはいけないと、連日タクシーで移動しました。

アル・アインのホテルに泊まり荷物を置き、移動してドバイで試合を観て、夜アル・アインに戻り試合観戦、といったような強行スケジュールを可能だったのも、タクシーのおかげでした。

それでは、ここから開催4都市を2都市ずつにわけてお伝えします。前編はドバイと、そこに隣接するシャールジャです。

❶AL MAKTOUN STADIUM (ドバイ)

AL MAKTOUN STADIUM
(撮影:有川久志)

アジアカップのために大規模改修したスタジアム。10,750人から12,000人収容への改修でしたが、実際に中に入ると、収容人数より大きく感じます。改修費は日本円で120億円と聞きました。

スタジアム名のアル・マクトゥームとはドバイ首長国を治めているマクトゥーム家のこと。UAEのスタジアムは、人名がついているところが多いです。

2003年のFIFAユースチャンピオンシップやUAE国内リーグ決勝の舞台にもなっているサッカー専用スタジアムであり、普段は国内最古のサッカークラブであるAl Nasr(アルナスル)のホームスタジアムとなっています。

1945年設立であり、スタジアムのバックスタンドにも座席の色分けで、"1945"の文字がくっきり浮かび上がります。

日本では馴染みが薄いかもしれませんが、ここドバイでのダービーマッチは、Al Nasr(アル・ナスル)対Al Wasl(アル・ワスル)。そのドバイダービーを最初に開催したスタジアムでもあります。

曲線状の屋根構造で音が籠り、サウジアラビアの中東独特の応援(試合中歌い踊り続ける)が場内に響きまくりです。照明はLEDで非常に明るくピッチを照らし、そのLEDを試合開始時やハーフタイム時に制御して演出に使っていました。

AL MAKTOUN STADIUM
(撮影:有川久志)

❷RASHID STADIUM (ドバイ)

RASHID STADIUM
(撮影:有川久志)

正式名称は、Maktoum bin Rashid Stadium(マクトゥーム ビン ラシッド スタジアム)。

ドバイのAl mamzar地区にあり、ドバイメトログリーンラインの、その名もスタジアム駅より徒歩1分(目の前)。2017年にDubai CSC(ドバイCSC)とAl Shabab(アル・シャバーブ)が合併してできたShabab Al Ahli Dubai FC(シャバブ・アル・アハリ・クラブ)というクラブのホームスタジアムです。

スタジアム名のアール・ラシードとはスタジアム建設当時のドバイ首長国首長ラシード・ビン・サイード・アール・マクトゥームのこと。

1948年に設立され、収容人数は9,415人でありましたが、その後の改修で18,000人収容となり、ドバイ最大の規模に。2014年にはAFCカップの決勝の地となりました。

ただ、印象としては、街中の陸上競技場の佇まい。

バックスタンドに国旗掲揚のポールもなく、仮設のバックドロップを作ってそこに国旗やAFC旗を貼り付けていました。ゴール裏も仮設スタンドで、その下層部はトンネル構造になっていました。

メトロ駅に近く、ショッピングモールも近接していて環境は良いのですが、正直「このスタジアムで国際大会実施できるんだ!」という驚きを感じるスタジアムでした。

応援はパレスチナがかなり優勢でしたが、試合はオーストラリアが3-0で快勝。

RASHID STADIUM
(撮影:有川久志)

❸SHARJAH STADIUM (シャールジャ)

SHARJAH STADIUM
(撮影:有川久志)

シャールジャは、UAEの文化中心都市として知られており、ドバイから車で30分ちょっとの距離にある町です。

シャールジャスタジアムは、1948年に設立され、収容人数は11,073人。今大会で一番小さい規模ですが、隣にはクリケットスタジアムもあり、広大なスポーツコンプレックスの一角をなしています。

主にサッカーの試合に用いられ、UAEリーグに所属するSharjah FC(シャールジャFC)がホームスタジアムとして使用しています。このSharjah FCは、1973-74のUAEリーグ開幕時の優勝チームなんですねー。

外壁は、独特の文様が描かれており、オリジナリティを感じつつも、街中の市民競技場のイメージでした。応援はイラクが優勢で、試合もイラクがイエメンを3-0で圧倒。

この規模の街の「いかにも地元クラブのホームスタジアム」という佇まいのスタジアムが、アジアカップの会場になるのも、"アジアカップならでは"で良い感じです。

ドバイの街は、世界一の高さを誇るビル=ブルジュ・ハリファや、幾何学的なファサードを持つビルといったような、「そもそもどういう構造になっているんだ?」と一目で驚く建造物が目白押しなのですが、スタジアムは規模も小さく、デザインも街中のビルに比べておとなしめであり、逆にそのことが一番印象に残りました。

SHARJAH STADIUM
(撮影:有川久志)

ドバイの各スタジアムの位置関係

後編はこちらから


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