
米国ニューヨーク州は、新たに建て替えられたハイマーク・スタジアムの所有権を、これまで旧スタジアムを所有してきたエリー郡から正式に取得した。これによりエリー郡は、50年以上にわたるスタジアム所有の歴史に幕を下ろすことになる。
新スタジアムは、アメフトの全米最高峰、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)所属のバッファロー・ビルズ(以下、「ビルズ」)が新たな本拠地とする予定だ。今回の所有権移転が完了したことで、このニューヨーク州西部史上最大規模となる建設プロジェクトはひとつの節目を迎えた。
2026年6月、ビルズは新スタジアムでテープカットセレモニーを開催した。約100万m2の敷地に建設された新スタジアムの建築面積は約15万m2で、収容人数は6万108人、総事業費は21億ドル(約3,400億円)を超える。
ビルズは2022年3月、エリー郡バッファロー郊外に位置するオーチャード・パーク町に新スタジアムを建設することで、ニューヨーク州およびエリー郡と合意した。キャシー・ホークル州知事は、ビルズが今後30年間バッファローを本拠地とすることを確約する契約を取り付け、2023年6月には旧ハイマーク・スタジアム(収容人数7万1,608人)の隣接地で起工。新スタジアムは約3年の工期を経て完成に至った。
大幅に膨らんだ建設費用
当初の合意では、総事業費として14億ドル(約2,230億円)が見込まれており、ニューヨーク州が6億ドル(約950億円)、エリー郡が2億5,000万ドル(約400億円)を拠出し、ビルズが残りの5億5,000万ドル(約880億円)をNFLのG4ローンプログラム(スタジアム建設・改修向け融資制度)を利用しつつ負担する予定だった。
ところがその後の建設費高騰により、2024年11月、新スタジアムの建設費が21億ドル(約3.400億円)を超える見通しであることが明らかになった。
これまでの合意により、事業費の増加分についてはビルズのオーナーグループが負担することになっていたため、ビルズは追加で6億5,000万ドル(約1,030億円)を借り入れることを計画。しかし、NFLが定めたチームが負える債務上限は当時7億ドル(1,120億円)で、追加借入と既存のG4ローンによる債務などを合わせると、ビルズの債務総額は上限を超えてしまうことが問題となった。そこでビルズは、追加借入予定の6億5,000万ドルについてNFLの債務上限の算定対象から除外するよう申請し、2025年4月にNFLはこれを承認した。
ビルズの本拠地スタジアムは、1960年のチーム創設以来、いずれも地方自治体が所有してきた歴史がある。最初の本拠地であるウォー・メモリアル・スタジアムはバッファロー市が、そして1973年に旧ハイマーク・スタジアムへ移転して以降はエリー郡がスタジアムを所有してきた。
エリー郡はこれまでの所有事業において、スタジアムの将来的な修繕や設備更新に充てるための課徴金をチケット代に上乗せしてきたが、新スタジアム移転後もこの課徴金の仕組みは引き継がれ、その収入はビルズに支払われる予定だ。
地域を挙げた一大事業が完結
バッファロー・ニュース(Buffalo News)紙によると、州はスタジアム全体の所有権を形式上の1ドル(約160円)で取得した。ただし実質的には、州は2022年3月に合意した建設費6億ドルを新スタジアムに投じることになる。
エリー郡のマーク・C・ポロンカーズ行政長官は、所有権の移転について次のように述べた。
「このたびの所有権の移転により、最先端の新スタジアム建設という一大事業が、ついに完結しました。
これによりエリー郡は、1973年以来続けてきたスタジアムの所有事業を終えることになりましたが、今後はバッファロー・ビルズのサポーターという立場から、この6万人収容の真新しいスタジアムでアメフトの試合やさまざまなイベントを楽しみたいと思います」
2026年8月8日、新ハイマーク・スタジアムの移転後初となる一般向けイベントとして、ビルズの公開練習イベント『ブルー&レッドプラクティス』が開催された。
また、8月15日には、新スタジアムでの初戦として、カロライナ・パンサーズを迎えたNFLのプレシーズンゲームが行われ、結果はビルズの圧勝となった。レギュラーシーズンの本拠地初戦は9月17日で、デトロイト・ライオンズ戦が予定されている。
※金額はすべて2026年8月下旬で換算
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元記事 - New York State takes on Highmark Stadium

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