北アイルランドのベルファストで計画されているケースメントパーク・スタジアム改修プロジェクトについて、ゲーリック体育協会(GAA)は、収容人数が少なくとも3万人になるとしたうえで、仕様は当初の計画より縮小されることを示唆した。
2024年9月、英国政府がこのプロジェクトにかかる大幅なコスト増を理由に資金を提供しないことを宣言したため、ケースメントパークはサッカーの欧州選手権『UEFA EURO 2028(以下、「EURO 2028」)』の英国・アイルランド共催計画から事実上除外された。同プロジェクトについては現在、GAAがEURO 2028の会場に選ばれる前の計画に戻したと理解されている。
EURO 2028期間中、北アイルランド唯一の会場となるはずだったケースメントパークは、約3万人を収容できるよう改修されることになっているが、ここに至るまでにプロジェクトは資金面や計画面の問題で何度も頓挫しており、2013年から閉鎖されたままだ。
2024年10月31日、バーンズ会長は、「GAAはいまだ3万人以上のスタジアムを計画しているが、EURO 2028計画の一部として当初想定されていたものよりも、より縮小された、シンプルなスタジアムになるだろう」と語った。
同日、ジャーラス・バーンズ会長率いるGAA代表団は、北アイルランド政府・コミュニティ省のゴードン・ライオンズ大臣と会談し、停滞している同プロジェクトについて協議した。会談後、バーンズ会長は、「このプロジェクトは、ライオンズ大臣や北アイルランド行政府にとって、間違いなく優先すべき事項である」と語った一方で、まだ新しい方向性の目処は立っていないことも認めている。
バーンズ会長は、ベルファスト・ライブ紙に以下のように語った。
「ケースメントパークでのEURO 2028の開催がなくなったという事実を受け、改めて建設されるスタジアムの在り方を検討してきました。
私たちは、国民の負担をできるだけ小さくするため、多くの内装を断念することでコストを大幅に削減します。現在は公的資金を求める声も多いことは承知しているので、ケースメントパークが建設される際には、責任ある立場として安全基準を満たしつつも、他の重要なプロジェクトから資金を奪ってしまうほど豪華すぎるものにはならないよう、適切に建設されることを目指したいと考えております。これらの検討において、ライオンズ氏はその全てを受容してくれました。
収容人数は3万人超となるとみております。このスタジアム建設計画が、スタジアム戦略、インフラ戦略、政府計画の優先事項の一部であることは明らかであり、最後までしっかりと取り組んでいくことが非常に重要だと考えております。私たちは、内装をより控えめに、シンプルにすることでこれを実現いたします。
つまり、当初より縮小された計画でありながらも、収容人数は維持することに成功したのです」
2024年9月、バーンズ会長は、4億ポンド(約790億円)以上といわれている改修にかかる最新価格について、入札プロセスの前に営利に関わる機密事項は公表したくないと述べた。さらに、GAAはすでに誓約している1,500万ポンド(約30億円)以上の資金を、この計画に投入することはないだろうとも述べている。
2024年10月30日、英国のレイチェル・リーブス財務大臣は、北アイルランド行政府への15億ポンド(約3,000億円)の追加予算を発表した。またこの翌日には、ヒラリー・ベン北アイルランド担当大臣が、「英国政府はケースメントパーク改修事業に資金を確保するのか」との質問に対し、同事業に取り組むかどうかは北アイルランド行政府次第であることを示唆した。
さらに、ベン大臣はBBCラジオ・アルスターに対して、
「ケースメントパークは、多額の資金投入にも関わらず建設が遅延したため、EURO 2028の開催はなくなり北アイルランド行政府単独のプロジェクトとなりましたが、同行政府には今回、かなりの追加予算が与えられています」
と話し、ここでもケースメントパーク改修事業に取り組むかどうかは北アイルランド行政府次第であることを強調している。
2024年10月、アイルランド政府は、北アイルランドのベルファストが開催地から外されたことを受け、国内において、EURO 2028の追加試合を引き受けてくれる会場を募集した。
※金額はすべて2024年11月上旬で換算
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元記事 - GAA planning for scaled-back Casement Park project
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