アジアサッカー連盟(AFC)の視察団は2021年11月、2027年AFCアジアカップ開催を目指すサウジアラビアの各地を訪れ、開催候補地として挙げられているスタジアムを視察した。
サウジアラビアは首都リヤド、ダンマーム、ジッダの3都市の計10ヶ所のスタジアムを開催会場にする計画を提案しており、このうち新設スタジアムとしてリヤド・スタジアム、ダンマーム・スタジアム、そして独特な形状のキディヤ・スポーツ・スタジアムを建設中だ。
2027年AFCアジアカップ開催国の発表は、新型コロナウイルスの世界的流行を受けて2022年に延期されており、サウジアラビア以外にはイラン、カタール、インドが立候補を表明している。
AFCの視察団は2021年11月13日、収容人数が5万8,000人から8万人に拡張改修されるリヤドのキング・ファハド国際スタジアムを皮切りに視察を開始。その後、2015年に開場し、2020年に改修されたキングサウード大学スタジアム(Mrsoolパーク)も視察した。
また、視察団は911緊急センターを訪問し、スポーツ大会開催時の観客管理など、サウジアラビアが開催国に選ばれた場合のセキュリティ対策についても説明を受けた。
AFCの広報官は、視察団の訪問について次のように話した。
「AFCの視察団は今回の訪問で、2027年AFCアジアカップの大会関係者、各国代表チーム、メディア、ファンの皆様を迎えるためのホスピタリティサービスの現状と開催に向けた整備状況も視察しました。サウジアラビア王国はここ数年で大きく成長、繁栄しています」
キング・ファハド国際スタジアムの拡張改修では陸上トラックの撤去、ピッチの掘り下げ、それに伴うスタンド下層階の増設が予定されている。また、王族などのVIPゲスト用のロイヤル・ボックスの両側には、新たなに西スタンド上層階も増設される。設計は世界的なスポーツ施設を手掛けてきたポピュラス(Populous)社だ。
サウジアラビアが候補に挙げたスタジアムの中で、ひと際異彩を放つのがリヤド中心部から西に50㎞、新興エンターテインメント地区のキディヤ・シティに建設中のキディヤ・スポーツ・スタジアムだ。キディヤ・シティのリゾートやテーマパークを一望できる崖の上に建つスタジアムとして国内外の注目を集めている。
キディヤ・スポーツ・スタジアムは2023年完成予定で、こちらもポピュラスが設計した。岩石に囲まれた周辺環境を反映したデザインで、その躯体は砂漠の蜃気楼を彷彿させる姿になるという。
収容人数は2万2,000人で、サッカーピッチの3辺に有機的なデザインの客席ボウルが設置され、上層階と下層階は一般席、中層階がVIPと企業パートナー用ホスピタリティエリアになる。
サウジアラビアの広報官は、キディヤ・スポーツ・スタジアムについて次のように説明した。
「キディヤ・スポーツ・スタジアムは、周辺地域の景観や芸術、歴史的建築物から着想を得ており、また、キディヤの地形や地理の影響を受けたデザインになっております。躯体は自然によって創られた岩石層の地形の一部となるように埋められ、観客の入退場の動線も自然の岩石層を利用する設計になっております」
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元記事 - Saudi Arabia presents venues ahead of 2027 Asian Cup decision
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