アスレチックスの新球場整備計画、アラメダ郡の決議で実現が間近か
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オークランド・アスレチックスの新球場の完成イメージ
オークランド・アスレチックスの新球場の完成イメージ (画像:Oakland A's)

野球の北米最高峰、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)のオークランド・アスレチックスの新球場建設プロジェクトについて、アラメダ郡行政管理委員会は2021年10月下旬、オークランド市と共同で新球場および周辺エリアの再開発の資金調達スキームに参加するかどうかの賛否に関する非拘束的決議を行なった。

Mercury News紙によると、決議では4票対1票の賛成多数で共同参加する方針を可決した。市議会が提案したスキームでは、アスレチックスの新球場をオークランド港のハワード・ターミナル地区再開発計画の中核施設としつつ、球場周辺には低価格分譲マンションや公園、オフィス、店舗などの整備も検討されているため、アラメダ郡がオークランド市と共に再開発を行うことで生まれる固定資産税の大部分をインフラ整備に投入する意思があるかどうかが焦点となっていた。

アスレチックスは、現在本拠地としている『リングセントラル・コロシアム』とのリース契約が3年以内に切れることもあり、同球場の利用継続を望んでおらず、ハワード・ターミナル再開発計画についても、球団によるインフラ整備費負担に対して市や郡が投資のかたちで還元しないのであれば、別の都市への移転も辞さないと公言している。そのため、オークランド市はアスレチックスを同市に留めるため、以前からアラメダ郡にもスキームに参加するよう打診していた。

アラメダ郡行政管理委員会の決議の結果を受け、オークランド市のリビー・シャーフ市長は次のように話した。

「本日のアラメダ郡行政管理委員会の歴史的な決議により、アスレチックスがオークランド市に留まり、今後何世代にもわたってベイエリアに住む市民の皆様にとって有益な施設になるであろう世界屈指の湾岸ボールパーク整備への道筋がはっきりと切り拓かれました」

長期にわたりリングセントラル・コロシアムから新球場への移転を切望してきたアスレチックスは4月、120億米ドル(約1兆3,674億円)規模の新球場および隣接する多目的施設整備に向けた資金調達案を新球場デザイン修正案と併せて市議会に提出。球団が新球場単体の建設費10億米ドル(約1兆1,400億円)を負担するとしており、球団は市議会に決議を促していた。

オークランド市議会は2021年7月、アスレチックス側が提示した建設計画案に対する修正案付きの条件規定書について決議し、これを市議8人のうち6人の賛成多数によって承認したが、球団側は修正案の内容を不服としている。だが、5月時点でMLBはアスレチックスの移転の可能性について、他の都市と協議することを許可しており、市議会には相当の重圧がかかっていた。この決議が拒否されていた場合、ハワード・ターミナル再開発計画は白紙に戻され、アスレチックスの移転が加速化することは免れなかったことを考慮すると、市議会としては、まずは計画の合意形成を優先せざるをえなかった面もある。

だが、アラメダ郡行政管理委員会によって承認された市議会案では低価格住宅の整備、賃借人や用地接収で転居を余儀なくされた住人への補償対策、そしてアスレチックスの新球場初戦を発効日とする25年間の移転禁止契約の合意などが盛り込まれており、球団側が提示した条件とは大きな隔たりがある。

オークランド市は、バスケットボールの北米最高峰NBAのゴールデンステート・ウォリアーズが2019-20年シーズンにサンフランシスコ市のチェイス・センターに、そしてアメフトの全米最高峰NFLのレイダースが2020年シーズンにラスベガスのアレジアント・スタジアムに移転したことから、同市を本拠地とする最後の米4大リーグチームであるアスレチックスの残留を望んでいるが、球団は長年コロシアムを共同使用してきたレイダースと同じ道を選ぶ可能性が高いと報じられている。

Mercury News紙の報道によると、オークランド市は、アラメダ郡行政管理委員会での決議に先立つプレゼンで、市が業務委託したコンサルティング会社のセンチュリー・アーバン(Century Urban)社による調査報告を発表。計画が実現すれば、アラメダ郡にはハワード・ターミナル再開発のインフラ整備段階で6,700万米ドル(約76.4億円)の一時収入があり、その後は毎年540万米ドル(約6.2億円)の年間収益が見込まれると説明した。

だが、アラメダ郡のスーザン・ムラニシ郡議の事務所は、郡の年間収益は200万米ドル(約2.3億円)強となり、最終的に郡の方が市よりも多いインフラ整備費を負担することになると試算したとされる。なお、アラメダ郡は現在、ハワード・ターミナル地区関連の税収で年間7万米ドル(約800万円)を得ている。

ここ数ヶ月間に複数回ラスベガスを訪れており、この日のアラメダ郡行政管理委員会の会合にも出席したオークランド・アスレチックスのデイブ・カヴァル会長は、次のように話した。

「MLBからも、一刻も早く新球場の方向性を示すよう言われており、球団としても重圧を感じております」

※金額はすべて2021年10月下旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Oakland A's ballpark plans boosted by Alameda County vote

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