ブライトンのAMEXコミュニティ・スタジアムが診断センターとして地域医療を支援
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ブライトンのAMEXコミュニティ・スタジアム
ブライトンのAMEXコミュニティ・スタジアム (画像:Brighton &Hove Albion)

イングランドのサッカー、プレミアリーグ(1部)のブライトン&ホーブ・アルビオンFCの本拠地『AMEXコミュニティ・スタジアム』が、国民保健サービス(NHS)のコミュニティ診断センターに指定された。イングランドでは、新たに英国内40ヶ所のコミュニティ診断センターを開設していくことが決定しており、同スタジアムはその最初の3ヶ所のひとつに選ばれた。検査拠点の拡充により、新型コロナ感染者の治療で手がはなせない病院に代わり、癌などの早期診断体制を構築する。

英国政府は、都市部の大規模病院や地域の中核病院に行かなくても、自宅から近いサッカースタジアムやショッピングモールといった場所に診断センターを設置することで、数百万の患者にとって有益な医療サービスを提供できるとして、コミュニティ診断センター設置の決定を発表していた。

AMEXコミュニティ・スタジアムに開設する『AMEXスタジアム・センター』は、イングランド南東部の約170万人の住民に対応する4ヶ所の診断センターのひとつで、MRIやCTスキャン、超音波、X線機器を揃える。検査やスキャンにかかる費用には、政府による3億5,000万ポンド(約400億円)の公的投資が充てられ、診断センター立ち上げから最初の1年で280万回のスキャン検査を実現する。

診断センターは息切れや癌、眼科検診など、早期の確定診断を必要とする患者が、簡単かつ迅速に直接検査を受けられる体制を構築する目的で設置される。また、都市部の大規模病院や地域の中核病院には感染症や重病患者の治療を優先してもらい、コミュニティ診断センターで検査や診断といった初期対応を請負うことで地域医療の崩壊を防ぎ、さらに病院への通院回数が少なくなるよう管理することで、新型コロナの院内感染のリスクも減らす考えだ。

各コミュニティ診断センターには、看護師や放射線技師といった専門職で構成される医療チームが配置され、定休日なく外来を受け付ける。

英国政府は2021年10月上旬、国内の癌治療の医療提供水準がコロナ以前と同等またはそれを上回るレベルまで回復し、6月と7月だけで約50万人が癌検査を受けたと発表。また、同時期に5万人以上が癌治療を開始し、2020年の同時期と比べ、治療を開始した患者数が32%増加したことも付け加えた。

政府は新たに開設する診断センターにより、癌検査や他の検査を拡充し、新型コロナの影響で停滞していた医療サービス提供体制のさらなる充実に繋げたい考えだが、シンクタンクのヘルス・ファウンデーション(Health Foundation)は2021年9月末、コロナ禍で医療にアクセスできた患者数は、平時に比べ750万人少なかったことから、NHSの診察予約待ち患者のリストは今後大幅に増える見込みだと警告しており、楽観視はできない。

NHSの最新情報では、現在英国では約560万人が医療待機状態だとしているが、ヘルス・ファウンデーションの報告は、2020年1月~2021年7月のコロナ禍の間に検査等で通院できた患者数は、コロナ前に比べ750万人少なかったと指摘している。

英国政府のサジード・ジャヴィド保険・社会福祉相は、コミュニティ診断センターの開設につい次のように話した。

「診察予約待ちリストの解消には革新的な方法が必要ですので、今まで以上に簡単で便利な検査方法を導入することにしました。

新たなコミュニティ診断センターは、診療を必要としている地域に開設され、健康な生活をおくるうえで大事な検査を皆様のご自宅に近い場所にお届けするものです。早期の診断を受けていただくことで、癌などの病状を可能な限り早い段階で見つけ、できるだけ多くの命を救うことができます。」

また、NHSのアマンダ・プリチャード最高経営責任者(CEO)は、次のように話した。

「早期の診断で助けられる命は多くあります。新たなコミュニティ診断センターは地域の中心部に開設され、多くの方々が簡単に検査やスキャン、精密検査などの医療サービスを受けられるようになるだけでなく、私たちも患者さんが癌などの重病から回復できるようお手伝いができるようになるため、結果的に多くの方々を病気の苦しみから解放できるようになります。

コロナ禍においても、英国全土のNHS職員がおよそ45万人の新型コロナ重症患者の治療に従事しながら、様々な病状に苦しむ多くの患者さんに医療ケアを提供してきましたが、コミュニティ診断センターの拡充により、まだ治療が簡単な早期の段階で病気を見つけることができるようになります」

すでに設置が完了し、外来受付を開始しているセンターもあるが、多くのコミュニティ診断センターは今後6か月間で医療サービスの提供を開始していく予定で、2022年3月までに全センターがフル稼働する計画となっている。

ブライトン&ホーブ・アルビオンFC は、AMEXコミュニティ・スタジアムの収容人数を3万2,500人に拡大改修する計画を市議会に提出しており、2021年3月に建築開発許可を取得した。

※金額はすべて2021年10月下旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Amex Stadium to feature among new NHS Community Diagnostic Centres

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