メキシコ南東のユカタン州は、トップレベルの野球やサッカーを開催可能な27,000席の多目的スタジアムのエスタディオ・ソステニブル・デ・ユカタンの整備事業を正式に承認した。
2020年9月に整備計画が報じられたエスタディオ・ソステニブル・デ・ユカタンは2023年中に竣工予定で、完成後はプロ野球のメキシカンリーグに所属するユカタン・ライオンズと、サッカーのリーガ・デ・エクスパンシオンMX(2部)のベナードスFCユカタンが本拠地として利用することが決定している。
設計はポピュラス(Populous)が担当しており、観戦体験を損なわずに野球仕様からサッカー仕様に転換できる可動式スタンドが特徴。野球仕様時の収容人数は2万3,000人でサッカー仕様時は2万7,000人だが、コンサート仕様時は最大で3万2,000人を収容可能だ。
ユカタン州のマウリシオ・ヴィラ・ドーサ知事は、新スタジアムは国際サッカー連盟(FIFA)や野球の北米最高峰、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)の公式戦開催基準を満たす予定で、完成すれば州都メリダ市や周辺地域の発展を促す起爆剤になりえると期待を寄せている。また、ヴィラ・ドーサ知事は、中西部のシナロア州で2020年に開場したエスタディオ・デ・マサトランの成功を例に挙げ、エスタディオ・ソステニブル・デ・ユカタンも同様に観光の中心地になる可能性があるとしたうえで、次のように話した。
「エスタディオ・ソステニブル・デ・ユカタン整備プロジェクトは、メリダ市だけにとどまらず、ユカタン州全域の発展を促す一大事業です。また、新スタジアムにより地域全体が発展することで、ユカタン州北部に位置していながら、近年発展が遅れているとされるメリダ市の周辺都市も一体となって成長する大きなチャンスになります。
また、ユカタンのチームが国内最高峰のリーガMX(1部)でプレーするという州民の夢が叶うチャンスともいえるでしょう」
エスタディオ・ソステニブル・デ・ユカタン整備プロジェクトは、建設段階で4,000の雇用を生み出し、稼働開始後も1,000の雇用を生むと試算されている。躯体には客室300室のホテル、ミュージアム、レストランなど、バラエティに富んだサービスを提供するホスピタリティ施設が整備されるほか、メリダ市や周辺地域をビジネスと投資の中心地として売り出す目的で、延べ床面積9,000m2の会議スペースも整備される予定だ。
新スタジアム整備は、ユカタン州政府とメリダ市議会の共同プロジェクトである『包括的都市改善計画』の一環として進められ、最終的にスタジアムと地域社会の融合を目標とすることになる。
また、プロジェクト関係者は、エスタディオ・ソステニブル・デ・ユカタンはその名が示すとおり、「メキシコ初の持続可能型(サステナブル)スタジアム」を目指すと強調しており、水や電力の効率良い使用、建材、資源、大気質、輸送といった面でインフラ施設の持続可能性を評価する国際的な環境認証システム『LEED(Leadership in Energy and Environmental Design=電力および環境設計)』において、スタジアムでは世界でも数少ないプラチナ認証取得も視野に入っている。
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元記事 - Yucatan Sustainable Stadium targets Mexico national team games
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