イングランドのサッカー、プレミアリーグ(1部)のリヴァプールFCは、2020年5月下旬に開催されたプレミアリーグ最終節のクリスタルパレス戦のチケット情報詳細を説明する中で、2021-22年シーズンより本拠地『アンフィールド』の入場システムを完全デジタル化することを発表した。
プレミアリーグは2020-21年シーズンの最後の2節については、ホームサポーターのみ入場が許可されるとしていた。
英国政府は、業界ごとに段階的に有観客興行を許可していく方針を決定しており、2021年5月下旬に緩和段階がステップ3に引き下げられたことを受け、スタジアムのような大型屋外施設での興行については、特例として最大1万人または収容人数の25%のいずれか少ない人数の入場が許可されていた。
プレミアリーグは、5月下旬の緩和段階引き下げに対応するかたちで第37節を5月下旬、そして第38節(最終節)を5月下旬に設定し、結果的にリーグに所属する全20クラブが有観客でホーム戦1試合ずつを開催した。
リヴァプールは発表の中で、クリスタルパレス戦については1万枚のチケットが用意されること、そして2021-22年シーズンからはアンフィールドを満員にしてホーム戦を開催していくことを想定したアップグレード計画について言及。新たなにチケット読み取りシステムにNFC(Near-Field Communication=近距離無線通信)技術を使い、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末上の電子チケットによる入場を実施するとした。電子チケットを友人や家族に譲渡した場合についても、同様の方法で入場することになる。
スマートフォンを所持していなかったり、NFC機能を利用できないシーズンパス保有者やクラブ会員に対しては、クラブが利用者の顔写真付き入場カードを提供する予定だ。なお、リヴァプールは2020年終盤のホーム戦3試合を入場者数を制限して開催したが、その際にNFC技術を使った入場法を試している。
また、クラブは併せて、2021-22年シーズンから新たに 、シーズンパス保有者やクラブ会員がクラブの公式チャンネルを使い、試合のチケットを希望する友人や家族と共有するプログラムを開始することを発表した。
このチケット共有スキームについては、以前に発表されていた内容から変更され、また、英国政府のコロナ感染対策ガイドラインの内容によっては今後もさらなる変更が加えられる可能性があるが、現時点でリヴァプールは、すべてのシーズンパス保有者とクラブ会員が来シーズン中に最大20名の友人または家族にプレミアリーグ公式戦およびカップ戦のチケットを譲渡できるようになるとしている。チケットの譲渡対象となる友人および家族は、2021-22年シーズン開幕までに事前登録する必要がある。
また、何らかの事情でアンフィールドで開催されるプレミアリーグのホーム公式戦に来場できず、事前登録した譲渡対象の友人や家族も来場できない場合、シーズンパス保有者とクラブ会員は、クラブの公式チケット再販システムに当該チケットを登録することができ、売買が成立すればチケット金額の100%を受け取ることができる。
リヴァプールは、2021-22年シーズンを通じてチケット共有スキームの利用状況を検証し、有識者との協議やデータ検証を経て、必要に応じてスキームを修正していく考えだ。
また、ドイツのサッカー、ブンデスリーガ(1部)のFCバイエルン・ミュンヘンも、2021-22年シーズンから本拠地『アリアンツ・アレーナ』の入場システムを完全デジタル化すると発表したばかりだ。
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元記事 - Anfield to move to fully digital ticketing model
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