韓国のKBOに所属するSSGランダースの新たな本拠地球場『青羅SSG野球場(Cheongna SSG Baseball Stadium)』の建設を進める小売業大手の新世界グループ(Shinsegae Group=SSG)は、同球場の設計業者に米国・ピッツバーグに本社を置く建築設計事務所のDLA+アーキテクチャー・アンド・インテリア・デザイン(DLA+ Architecture and Interior Design)社を選定した。
建設予定で、2028年シーズン開幕に合わせ、ソウル市西部の仁川で開場する予定のスターフィールド青羅は、世界初の大型ショッピングモール併設型球場であると同時に、韓国初の民設民営プロスポーツ施設としても注目されている。
ランダースは2002年以来、収容人数23,000人の仁川SSGランダースフィールドを本拠地としているが、球団を所有するSSGは、2022年8月、多目的ドーム球場の建設を目指して仁川市と連携する意向を発表した。
大型商業施設のスターフィールド青羅に直結する新球場は21,000席となる予定で、1年を通じて様々なスポーツやコンサート、コミュニティイベント、企業イベントなどを開催する多目的スポーツ&エンターテインメント施設として運営される。
現在、韓国にあるドーム球場は、KBOのキウム・ヒーローズの本拠地であるソウル市の高尺スカイドームだけだ。
新球場の設計を担当することになったDLA+のスポーツ分野主任兼プリンシパルでもあるチョン・ソンフン副社長は、プロジェクトについて次のように話した。
「青羅SSG野球場は、韓国におけるスポーツ&エンターテインメント施設の新たなparadigmとなるとみています。
歴史的に、韓国のスポーツ施設は公設公営だったため、なかなか利益を生み出すことができませんでした。韓国初の民設スポーツ施設となる青羅SSG野球場は、最初からファン体験や収益性を念頭に計画されており、本球場の成功は、韓国のスポーツ&エンターテインメント業界の将来に大きな好影響を与えることになるでしょう」
DLA+は、SSGが目指す記憶に残るスタジアム体験の創出を実現するため、入場時点で来場客の心をつかむ空間、そして試合観戦や飲食時の楽しみを最大化する設計に注力する。同社によると、新球場はサイズに反してパーソナルで親密感ある施設になり、来場客は「ダイナミックかつ試合に没入できる環境」を体験できるという。
また、DLA+はこれまでにも選手の身体能力と集中力を最大限引き出すチーム施設を設計したこともあり、新球場でもロッカールームや選手用ラウンジ、練習場、トレーニングジムなどを完備したクラブハウス施設を併設する。
今回の球場設計の選定に先立ち、SSGの戦略ビジョン策定やプロジェクト立ち上げを支援してきたDLA+のチョン副社長は、次のように補足した。
「オーナーのビジョン策定を最初から支援したことで、韓国のスポーツ&エンターテインメント市場や地元の野球ファン、そして野球観戦の文化を深く理解したかたちで、SSG社が目指すゴールをデザインに落とし込むことができました。
弊社のStrategic ArchitectureSM(戦略的建築設計)プロセスに不可欠な地域文脈や経済、社化学、ファンの精神構造の分析の緻密な調査を通じ、知見を手に入れることができました。その結果、ファンが実際に体験したストーリーや期待値、そして自社施設で消費者の記憶に残るエンゲージメントを提供したいというオーナーの事業戦略が反映したデザインが生まれました」
なお、青羅SSG野球場の設計JVには、DLA+の他に、ソーントン・トマセッティ(Thornton Tomasetti=スタジアム構造設計)社、MEエンジニアズ(ME Engineers=スタジアム機械/電気設備/配管エンジニア)社、CRTKL(ショッピングモール設計)社、 そして地元の設計事務所としてハイアーン・アーキテクチャー(Haeahn Architecture)社が名を連ねている。
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元記事 - DLA+ to deliver landmark ballpark project in South Korea
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