オレゴン州立大学(OSU)が進める同大アメフト部の本拠地『リサー・スタジアム』の大規模改修計画に、匿名で5,000万米ドル(約52.8億円)の寄付があった。
5,000万米ドルの寄付金額はOSU史上最高額タイとなるもので、総工費1億5,300万米ドル(約161.5億円)の改修計画に大きく貢献することになるのは必至だ。
リサー・スタジアムの大規模改修計画については、2021年1月にOSU評議会・財務経営委員会(OSU Board of Trustees Finance and Administration Committee)が承認済みで、今後、同スタジアムの西側が全面的に改修されることになる。現在は設計段階で、2021年5月の評議会で設計の承認可否が問われる。
建設工事は、2021年度のカレッジフットボールシーズン閉幕後に起工する予定で、OSUは2023年のシーズン開幕までの竣工を目指している。なお、工事中もOSUはリサー・スタジアムを本拠地としてホーム戦を開催する。
リサー・スタジアムは1953年に開場したアメフトスタジアムで、開場当初の収容人数は28,000人だった。その後、収容人数はOSUの1965年ローズボウル出場後に33,000人に拡張され、さらに1967年には40,593人に拡張された。
OSUのF・キング・アレキサンダー学長は、巨額の寄付があったことについて次のように話した。
「リサー・スタジアム改修計画は、オレゴン州立大学に関わる全ての人にとって重要な意味を持つプロジェクトですが、今回の巨額の寄付金は計画実現を大きく後押しするものです。多くの方々のリーダーシップと善意のおかげで、ビーバー(OSU運動部の総称)とオレゴン州立大のすべての人間が前進することができます。
全米最高峰の大学スタジアムであるリサー・スタジアムは、OSUのすべての生徒や教職員が利用できる施設で、ゲームデーに他校が羨む素晴らしいファン体験を提供することになるでしょう。OSUは、今後もアメフト部のビーバースや他の運動部の活動など、当大学のすべての選手に投資を続けていきます」
改修工事では、リサー・スタジアムの西側が完全に解体され、新たなスタンドに建て替えられるほか、最先端の技術を導入した新入生ウェルカム・センターや学生用ヘルスセンター施設、OSU教職員用医療センターといった通年利用を想定した新たな大学施設の整備、会議室の増設なども実施される。
リサー・スタジアム大規模改修計画は、寄付金やプレミアムシート販売の売上金、諸室の賃貸による収入、スタジアムおよび新施設の利用による収入などで建設資金を調達していく予定だ。今回の5,000万米ドルの寄付金とは別に、やはり匿名で1,050万米ドル(約11億円)が寄付されているため、寄付金目標額の8,500万米ドル(約89.7億円)に対して既に6,450億円(約68億円)が集まったことになる。
OSUのスコット・バーンズ副学長兼OSU運動部長によると、改修後のリサー・スタジアムの西スタンドには、全米カレッジフットボールのスタジアムで最もフィールドに近い座席など、新たに数種類のプレミアムシートや一般席のオプションが導入される予定だ。
また、スタジアムを1周できる360度のコンコースの整備、売店やトイレの拡張、観戦角度の向上、障がいを持つ利用者のアクセス環境の改善、そして2005年シーズン開幕前に改修されたスタジアム東スタンドと同様の施設の整備なども予定されている。
OSUのスコット・バーンズ副学長兼OSU運動部長は、プロジェクトの資金調達の現況について次のように話した。
「スタジアム改修プロジェクトに寄付してくださっている皆様のご厚意とご支援に心より感謝しております。今、リサー・スタジアムを改修しておくことで、OSU運動部とすべての学生選手たちに対する長期的かつ持続可能な財政支援が可能になります。OSUの男女競技17種目の運営に必要な費用の70%がアメフトおよびリサー・スタジアム関連事業によって生み出されていることを考慮すると、スタジアムの収入が増えることでOSU運動部の財政が安定化することは明らかです。
当大学では、スタジアム改修で一番望まれている施設やスペース、ファン体験などを特定するために、ビーバー・ネイション("Beaver Nation=OSU卒業生やビーバースのファン、サポーターの総称)の皆様を対象にアンケート調査を実施しました。そして、今回の改修プロジェクトは、まさにビーバー・ネイションの皆様の声を反映しているといえるでしょう。今回の改修によってスタジアムの座席数が増えることはありませんが、ゲームデーのファン体験を大幅に向上し、ファンの皆様が望んでいる体験や施設を提供するために最適なスタジアムに生まれ変わるでしょう。
また、リサー・スタジアムを改修することで、多くのスポーツ特待生や生徒をOSUにスカウトできるチャンスが増えると同時に、(西部6州の12大学が参戦する)パシフィック12カンファレンスおよび全米大会でのビーバースの支援と強化も可能になります」
OSUは直近4年間で巨額の寄付金を受ける機会が増えており、 2018年1月にはOBのギャリー・カールソン氏が獣医学部に5,000万米ドルを寄付して命名権を取得。同学部の名称はギャリー・R・カールソン獣医学カレッジになった。また、総工費7,000万米ドル(約74億円)のアーツ・オブ・エデュケーション・コンプレックスの建設資金として、2,500万米ドル(約26.4億円)が匿名で寄付された。アーツ・オブ・エデュケーション・コンプレックスの建設工事は2021年秋に着工予定だ。
※金額はすべて2021年2月下旬で換算
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元記事 - OSU's Reser Stadium renovation boosted by $50m donation
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