再オープンしたヘルシンキ・オリンピックスタジアムの改修事業費、当初予算を大幅に上回る
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大規模改修されたヘルシンキ・オリンピックスタジアム
大規模改修されたヘルシンキ・オリンピックスタジアム (画像:Olympiastadion Helsinki/Wellu Hamalainen)

大規模改修工事を終え、2020年8月に再オープンしたフィンランドのヘルシンキ・オリンピックスタジアムの総工費が公開され、着工前に試算されていた当初予算を約1億ユーロ(約126.5億円)オーバーしていたことが明らかになった。

改修工事ではスタジアム地下空間を中心に新たな利用スペースや施設が増設され、同スタジアムは大規模国際イベントが開催可能な多目的スタジアムになった。

ヘルシンキ・オリンピックスタジアム改修事業の総工費は2014年の契約時点で約2億ドル(約254億円)を予定していたが、建築主であるヘルシンキ市は最終的に3億3687万ユーロ(約428億円となったことを認めた。

市とヘルシンキ・オリンピックスタジアムは共同声明の中で、契約合意時点では建設費高騰を予測する入札価格指数が資金計画に含まれていなかったとしたうえで、次のように説明した。

「2015~2020年の5年間で建設業界の景気が大幅に上昇したことを受け、人件費と建材費が継続的に高騰しました。

整備計画の策定時は綿密な工期を練りましたが、長年保護されてきた歴史的建造物の大規模改修は私たちが予想していた以上に大変で、いくつかの予期せぬ課題が浮き彫りになりました。例えば、予想以上に採石や補強工事を必要としたこと、湿害で損傷を受けた部分の建て替え、新築および改修部分に追加のコンクリート工事を必要としたことなどが挙げられます」

ヘルシンキ・オリンピックスタジアムのスタジアム・ダイレクター、アキ・クオッカネン氏は2020年9月にTheStadiumBusiness.comに対し、欧州屈指の五輪スタジアムである同スタジアムが大規模改修を経て、フィンランド機能主義の至宝として生まれ変わったと話していた。

1938年に開場したヘルシンキ・オリンピックスタジアムは、フィンランド市とウーシマー地域政府が資金を出した4か年改修計画により、座席数36,300席、コンサート時の収容人数50,000人の多目的スタジアムとして2020年8月下旬に再オープンした。

市とヘルシンキ・オリンピックスタジアムは最終的な総工費について、共同声明で次のように説明した。

「改修を終えて再オープンしたオリンピックスタジアムは、新型コロナウイルス(COVID-19)感染予防策を徹底したうえで、毎日ヘルシンキ市民や訪問客の皆様に利用していただいております。

オリンピックスタジアムはCOVIDの感染が収束していない中、2020年8月に再オープンを迎えましたが、多くの市民の皆様にスタジアムへの興味を持っていただきました。特にイベント施設や新たな開設した来場者サービスやトレーニングジム、運動エリアの一般利用に関しては、多くの方々にご要望をいただいております。

2021年度、そして来年以降も数々のスポーツイベントやコンサートなどの大規模イベントの開催が予定されております。今後のイベント開催により、年間1,150の新規雇用、1億3200万ユーロ(約168億円)のイベント関連収入が予想されており、地域全体に与える経済効果は年間8000万ユーロ(約102億円)と試算されています」

※金額はすべて2021年1月下旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Cost of Helsinki Olympic Stadium revamp surpasses projections

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