テクノロジー大手のベライゾン・メディア(Verizon Media)社と世界中でギャンブルゲーム事業を展開するエンテイン(Entain)社は、アリーナ内外のファン体験を劇的に変える新たな仮想現実(VR)エンターテインメントとギャンブルサービスの開発で事業提携をすると発表した。
ラドブロークス(Ladbrokes)社とベットMGM(BetMGM)社を所有するエンテインはベライゾンとの提携を通じ、スポーツの生観戦とデータやギャンブルゲーム機能を組み合わせた没入型VR体験システムの開発に乗り出す。実用化されれば、利用者はエンテインが提供するプラットフォーム上でスポーツイベントへの参加、データへのアクセス、友人たちとの交流、そしてスポーツギャンブルといったことができるようになる。
また、エンテインは5GやVR、拡張現実(AR)といった新技術を駆使した没入型コンテンツや、ギャンブルゲーム機能をスポーツギャンブルに導入する新たな体験フォーマットのプロトタイプについても、ベライゾンと共同開発していく意向を表明した。
両社は、エンテインのプラットフォーム上でスポーツギャンブルを楽しむ新たな環境を構築するだけでなく、「スタジアムやアリーナでの観戦体験、プレーや競技への参加といった、スポーツファンを魅了する現実的な没入型体験の開発」を目標としているとした。
エンテインのシェイ・セゲフ最高経営責任者(CEO)は、構想中の新製品やサービスがスタジアムの観客と自宅で観戦している視聴者の壁を取り払う可能性があるとしたうえで、次のように話した。
「将来の競争を勝ち抜いていくためには、5年後、10年後の消費者を今から理解し、同じように未来に投資している世界中の企業と協働していく必要があります。
私たちは、未来の世界では消費者がVRヘッドセットを装着し、様々な場所から試合にアクセスすることで友人たちと"集合"し、一緒に観戦や交流、体験を共有するだけでなく、ハーフタイムにはゲームで競い合ったり、選手と一緒にピッチでプレーしているようなVR体験を楽しんでいる姿を想像しました」
今回の提携は、ベライゾン・メディア・グループ傘下のヤフースポーツ(Yahoo Sports)とベットMGMの既存の協力関係の延長線上にある。ベットMGMは、MGMリゾーツインターナショナル(MGM Resorts International)社とGVCホールディングス(GVC Holdings)社が設立した合弁会社で、エンテインの米国事業を担当している。
スポーツギャンブルは、米国では長年にわたって連邦法で禁止されてきたが、2018年に連邦最高裁が賭博の禁止を憲法違反だとする画期的な判決を下して以降、これまでに20州で合法化されている。
ベライゾン・メディアのグル・ゴウラッパン最高経営責任者(CEO)は、エンテインとの事業提携について次のように話した。
「ベライゾンとエンテインは、スポーツファンやゲームファンの皆様のための次世代コンテンツを開発していきます。
弊社がLAとロンドンに開設した世界初の5G完備の製作スタジオ、精鋭たちが揃ったクリエイティブ・テクノロジー・チーム、そしてベライゾン・メディアの最新プラットフォーム『イマーシブ(Immersive)』の力を総動員することで、エクステンデッド・リアリティ(XR)コンテンツの製作とデジタルチャンネルでの配信が実現し、エンテインのようなパートナー企業の皆様は、高品質の没入型・双方向型ユーザー体験をお客様にお届けできるようになります。」
また、エンテインは声明の中で次のように話した。
「今回の新たな事業提携の方向性は、弊社がオンライン市場調査のYouGovから得た調査結果とまさに一致するもので、同調査ではギャンブルゲームとエンターテインメントは今後、複数の機器でアクセスする双方向型が主流となり、すでに消費者の3分の2はギャンブルゲームやイベントをSNSと組み合わせて利用することで、楽しみの度合いが増すと認識していることが明らかになっています」
Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Verizon and Entain join to develop VR sports experiences
THE STADIUM HUBの更新お知らせはこちらをフォロー
Twitter:@THESTADIUMHUB
Facebook:THE STADIUM HUB