ベライゾンとシスコがスタジアム&アリーナの5G導入事業でパートナーシップ契約を締結
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(画像:Verizon)

アメリカの通信大手のベライゾン(Verizon)社は、スポーツファンがスタジアムやアリーナで安心して観戦できる環境づくりのためのベンチャー事業について、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発企業のシスコシステムズ(Cisco Systems)社とパートナーシップ契約を締結した。スタジアム・アリーナ市場への5G導入戦略に拍車をかける狙いだ。

提供されるのは、ベライゾンの5Gネットワークと業務用モバイル・コンピューティング・プラットフォーム『5G Edge』を組み合わせた新ソリューション。両社はこの安全な観戦環境の整備事業で協働する。

今回は、ベライゾンの5Gウルトラワイドバンド(5G Ultra Wideband)とマルチアクセス・エッジコンピューティング(MEC)能力を搭載した5G Edgeを、シスコのスポーツ&エンターテインメント事業に導入。セキュリティ保護されたロケーション分析を実現することができるシスコのDNA Spacesには、同社のスイッチング技術やデータセンター技術、コネクテッド・ベニュー・アナリティクスといった、複数のソリューションの効果的な統合が期待されている。両社はこの5GおよびMEC環境の充実により、リアルタイムに近いネットワーク体験を提供することが可能だとしている。

また、ベライゾンとシスコはスタジアムやアリーナを、常に課題を解決し新たな機能を拡充できる「進化可能なデジタルベニュー」に昇華させていきたいとしている。両社は具体的な方法として、データ分析による入場、トイレ利用、売店利用の待ち時間試算、デジタルサイネージやモバイルアプリによる(待ち時間の入場口やトイレ、店舗への)誘導システムの導入などを挙げている。

両社は、こういった技術を駆使することで来場客の密度を正確に把握し、デジタルサイネージやメッセージで伝達することで、施設の運営スタッフがソーシャルディスタンスを確保した人流の導線を効果的に管理することが可能になるとしている。

ベライゾン・ビジネス(Verizon Business)のアーミル・フセイン最高製品責任者(CPO)兼バイスプレジデントは、シスコとのパートナーシップについて次のように話した。

「世界中のすべてのスポーツ&エンターテインメントファンの皆様が、お気に入りのスタジアムやアリーナに戻って来れる日を楽しみにしていることでしょう。同時に、大観衆が集まる場所の安全性については不安な気持ちを持っている方も多いと思います。

ベライゾンの5Gウルトラワイドバンドは、すでに多くのスタジアムでファン体験の在り方を大きく変えています。今後は弊社の5Gソリューションにより、来場客の皆様の健康と安全を守るための対策がしっかりと施されていることを理解してもらえば、お客様も安心してスタジアムやアリーナに戻って来れるようになるでしょう」

ベライゾンはここ数ヶ月で数々のリーグ機構やスポーツチーム、そしてベニューと5G関連のパートナーシップ契約を締結しており、今回のシスコとの提携は、アイスホッケーの北米最高峰、ナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)とのオフィシャル5G・ワイヤレスサービス・MECパートナーシップ(2020年9月)や、同リーグに所属するニュージャージー・デビルスの本拠地『プルデンシャル・センター』との複数年パートナーシップ(2020年10月5日)に続く大型パートナーシップとなる。

後者については、ベライゾンがプルデンシャル・センターおよびニュージャージー・デビルスの5G&ワイヤレス・パートナーに就任したことにより、同アリーナはニュージャージー州初の5G導入屋内アリーナになることが決まっている。

また、ベライゾンは2020年2月に、アメリカのストックカーレース統括団体のNASCAR(ナスカー)との複数年にわたるパートナーシップを締結し、各地のサーキットのワイヤレス環境を向上する事業を始めている。さらに、2020年7月には世界最大の収容人数を誇るスポーツ施設であるインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)も、ベライゾンと同サーキットに新設された巨大なパゴダプラザ・メディアウォールによる5Gネットワークなどの新機能を発表したばかりだ。

なお、2019年3月にはアメフトの全米最高峰、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)も5G技術を活用した新商品やサービスを開発する目的でベライゾンと2年間のイノベーション・パートナーシップ契約を締結しており、2020年度スーパーボウルの開催会場となったマイアミ・ドルフィンズの本拠地『ハードロック・スタジアム』などのスタジアムが5Gアップグレードを実施している。

シスコシステムズのジョナサン・デイビッドソン大規模インフラグループ・ジェネラルマネージャー兼シニア・バイスプレジデントは、新事業における同社の役割について次のように話した。

「両社が持つ専門性と技術革新の力を合わせることで、5Gをさらに進化させ、スタジアムやアリーナにおけるスポーツ&エンターテインメントの未来を再定義するほどの大きな可能性を提示していきたいと考えております。

両者の5GとMECを駆使したソリューションの力を駆使すれば、より柔軟性の高いアプリケーションの開発、より高速で明瞭、そして正確なベニュー体験の提供など、最先端のクラウドサービスをお届けできるようになるでしょう」

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Verizon and Cisco team up to aid safe return of fans

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