イングランドのサッカー、EFLチャンピオンシップ(2部)のバーミンガム・シティFCは、本拠地『セント・アンドリュース』の所有者が正式に変更したことを発表した。
セント・アンドリュースの所有権売却については、2021年3月にクラブの親会社であるバーミンガム・スポーツ・ホールディングス(Birmingham Sports Holdings)社が、子会社でスタジアムを所有・運営するバーミンガム・シティ・スタジアム・リミテッド(Birmingham City Stadium Ltd＝BCSL)社の株式の75%を不動産投資家の康茗茗氏に売却することで合意したことを、香港証券取引所へ通達していた。
地元紙のBirmingham Mailは、康氏が英領ヴァージン諸島にある投資会社のアチーバー・グローバル・グループ・リミテッド(Achiever Global Group Ltd)社を通じて1,078万ポンド(約16.7億円)相当の株式を購入する予定で、購入期限は2021年6月30日までとなっていると報じた。
売却が完了すれば、クラブの親会社はセント・アンドリュースを所有せず、今後はBCSLに毎年125万ポンド(約1.94億円)の賃料を払うことになる。今回合意されたスタジアム賃貸契約期間は2031年までとなっているが、2025年に契約更新などの見直しが可能になるという。
バーミンガム・スポーツ・ホールディングスは、スタジアム所有権の売却について次のように説明した。
「株式の売却が完了次第、BCSLは当社の子会社ではなくなり、当社もBCSLについて関与することはなくなります」
バーミンガム・シティFCは2020年1月、クラブの財務状況改善のために本拠地スタジアムの所有権を売却することを決定したが、ウェスト・ミッドランズ地方の同クラブは今回のBCSL株式売却に先立ち、クラブのオーナーである孫粗洪氏が経営する会社に2,280万ポンド(約35.3億円)でスタジアムを売却したため、2～4部を統括するイングリッシュ・フットボール・リーグ(EFL)のファイナンシャル・フェアプレー(FFP)違反の制裁措置の対象となっていた。
クラブの財務諸表には、2019年5月にバーミンガム・スポーツ・ホールディングスの完全子会社として登記されたBCSLに「土地と資産」を売却する契約の詳細が含まれており、第三者の鑑定者によるスタジアムの評価額が2,280万ポンドと査定されていたことから、売却によって1,720万ポンド(約26.7億円)の利益が計上されていた。
これにより、バーミンガム・シティの税引前損失額は820万ポンド(約12.7億円)まで圧縮され、結果として2019年6月決算時のクラブの年度末営業損失は2,920万ポンド(約45.3億円)となっていたが、前年度の税引前損失額が3,740万ポンド(約58億円)であったことから、スタジアム売却益が大きく影響したことに注目が集まった。
ただ、同紙は、クラブと親会社のバーミンガム・スポーツ・ホールディングス、そしてBCSLの関係性は何らかのかたちで継続されると報じている。スタジアムを所有するBCSLの残りの25%の株式は、2020年12月にカンボジア人実業家のヴォン・ペック氏に売却されており、クラブの株式の21.64％も保有している同氏は現在、バーミンガム・シティFCの筆頭株主となっている。
※金額はすべて2021年6月下旬で換算
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元記事 - New owner for Birmingham's St Andrew's stadium
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