ドイツのオーディオ技術ソリューション大手のd&bオーディオテクニック(d&b audiotechnik)社は、イングランドのサッカー、チャンピオンシップ(2部)のクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)の本拠地『カイヤン・プリンス・ファウンデーション・スタジアム』に導入するスタジアム音響アプリ共同開発のため、劇場などの音響デザインを専門とするオートグラフ(Autograph)社とのパートナーシップ契約を締結した。
d&bオーディオテクニックは、オートグラフのスタジアム・サウンド(Stadium Sound)を駆使したd&bファンブロック(d&b Fanblock)システムで、無観客試合や入場者数制限によって大観衆の雰囲気が欠落しているスタジアムに、リアルタイム制御可能な音響ソリューションを提供する。
d&bファンブロックは、スタジアムやアリーナに設置されたd&b 音響システムデザインを使い、マルチチャンネル・サラウンド音響システムとオートグラフのプレイバック用ソフトウェアを組み合わせることで、ベニュー内にファンの大歓声を響き渡らせるシステムだ。
基本オーディオコンテンツは、スタジアム内の雑踏音を表現する基礎ループやオペレーターがピッチでのアクションに合わせて任意のタイミングで操作できる各種サウンドキューのライブラリなど、チームに関係しない共通の音響データで構成。カスタムサウンドデザインパッケージには、オートグラフのコンテンツパートナーであるファンチャンツ(FanChants)が所有する各クラブ独自のチャントデータも含まれる。
オートグラフのスタジアム・サウンドは長年、演劇やドラマツルギーの世界で活躍してきた専門家が設計、開発した動的制御可能なソリューションで、スポーツイベントを生観戦をしている観客の雰囲気を創り出す。しかも、スタジアム内のオペレーターがリアルタイムで操作するため、試合中の突発的な出来事に対し、適切な反応音を出力することが可能だ。
d&bオーディオテクニックのアムノン・ハーマン最高経営責任者(CEO)は、オートグラフとのパートナーシップについて次のように話した。
「オートグラフとの提携により、私たちは革命的な音響ソリューションの開発に成功しました。 今後、無観客のスタジアムやアリーナに選手たちだけの声が虚しく反響することはないでしょう。それどころか、d&bファンブロックがあれば、選手たちはファンやサポーターの力強く情熱的な声援を背に受けることができるようになります」
d&bファンブロックは、観客のいないスタジアムに大観衆の雰囲気を再現するだけでなく、顧客にとっては現在の不透明な経済状況下で新たなビジネスチャンスや収益源をもたらすことになると期待されている。
ハーマンCEOは次のように説明した。
「ライブエンターテインメント業界にとっては非常に難しい状況が続いていますが、d&bは市場のニーズを満たすための努力と技術革新を続けていきます。今回の最新の音響ソリューションの発表は、常にさらなる改善を目指し、パートナー企業やエンドユーザーの皆様に新たなビジネスチャンスを提供したいと考えている弊社の姿勢を表す一例といえるでしょう」
新システムはスケーラブルなため、どのようなスタジアムやアリーナにも導入可能だ。最初に稼働するのは、ロンドンのカイヤン・プリンス・ファウンデーション・スタジアムで、QPRのチャンピオンシップ公式戦となる。
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元記事 - QPR to roll out stadium sound platform
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