モバイルコマース技術の開発を専門とするベニューネクスト(VenueNext)社は、チケット販売サービス大手のチケットマスター(Ticketmaster)社と複数年のパートナーシップ契約を締結した。ベニューネクストの非接触型(コンタクトレス)決済・注文サービスを、チケットマスターがサービスを提供しているスタジアムやアリーナなどの大型施設に導入していく。
来場客がモバイル端末で会場へのアクセス情報や売店情報などを管理できるといった、カスタマイズされたイベント体験をファンに提供していく狙いだ。
ベニューネクストとのパートナーシップは、電子チケットの発行プロセスだけでなく、会場への入場方法や会場内での飲食や物品販売にもコンタクトレス技術を導入し、より個人的かつ簡易的なイベント体験や特別オファーを提供したいと考えていたチケットマスターにとっても大きなメリットがある。ベニューネクストが提供する技術により、席に座ったまま商品の注文や購入が可能なインシート注文や物品の事前購入が実現し、結果的に会場内の売店での待ち時間が短縮されるなど、来場客にとっても利便性の向上が見込まれる。
ベニューネクストは、アメフトの全米最高峰、ナショナル・フットボール・リーグのサンフランシスコ・49ersが、本拠地『リーバイス・スタジアム』建設中の2014年に設立した店舗販売時点管理(POS)サービス会社で、物理的およびデジタルを組み合わせたソリューションを提供している。世界中の多くのアリーナやスタジアム、遊園地、大学キャンパス、企業ビル内のカフェ、劇場、レストランが同社のソリューションや製品を導入しており、短期間でモバイルコマース業界のグローバルリーダー的存在に成長したベンチャー企業だ。
ただ、49ersは、試合のリアルタイムデータやアナリティクスをチームおよびリーバイス・スタジアムに提供する目的で、起業したばかりのベニューネクストのモバイルプラットフォームをチケットマスターのシステムに直接統合した経緯もあり、両社が協業するのは今回が初めてではない。その後、2017年にチケットマスターとNFLがパートナーシップ契約を延長し、スポーツ界初のフル電子チケットシステムが誕生した。
チケットマスターのグローバル最高執行責任者(COO)のエイミー・ハウ氏は、ベニューネクストとのパートナーシップ締結について次のように話した。
「チケットマスターは、詐欺防止からイベント体験の最適化まで、多くの恩恵をアーティスト、スポーツチーム、そしてファンの皆様にもたらすモバイルチケットへの移行を率先して推進してきました。
現在、世界のイベント産業では、お客様の健康や安全を守るための新たなガイドラインに基づいた電子チケットシステムの需要がこれまでになく高まっており、私たちはファンの皆様がお気に入りのアーティストや選手、スポーツチームの活躍を一刻も早く目の前で観れるように、最も革新的な技術を共に生み出すことのできるベニューネクストのような先進的な企業と提携しています。最も重要なことは、イベント会場がお客様の安全を守りつつ、ライブイベント体験をさらに簡単で楽しいものにするための最善策を尽くしているということをファンの皆様に知ってもらうことが、お客様に安心してライブイベントに戻ってきていただける第一歩だということです」
また、ベニューネクストのアンソニー・ペレズ最高経営責任者(CEO)は、次のように話した。
「チケットマスターとパートナーシップを組むことにより、これまでに以上に弊社製品を幅広く展開し、深く浸透させることができるようになります。私たちが生きるこの新時代において、イベント会場やコンテンツ所有者は会場の安全性と効率性を向上するために、コンタクトレス・ソリューションを最重要事項として捉えています。モバイルコマースの発展は同時に、スポーツやエンターテインメント業界が長い間追い求めてきた『カスタマイズされた消費体験』の提供を実現することができるのです」
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元記事 - VenueNext teams up with Ticketmaster to develop contactless venues
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