スペインのサッカー、ラ・リーガ(1部)のレバンテUDは、本拠地『エスタディ・シウタ・デ・バレンシア』で現在進行中の改修工事に必要な6,000万ユーロ(約75億6,000万円)の資金調達に成功したと発表した。
エドモン・ド・ロチルド・アセット・マネジメント(Edmond de Rothschild Asset Managemen)社が運営するインフラ事業向けデットファンド・プラットフォームの『バンジャマン・ド・ロチルド・インフラストラクチャー・デット・ジェネレーション(Benjamin de Rothschild Infrastructure Debt Generation=BRIDGE)』がクラブへの融資に合意した。
レバンテとBRIDGEはエスタディ・シウタ・デ・バレンシア改修工事の完遂、ナザレ地区のスポーツシティ整備事業の実施、そしてクラブがカイシャバンク(Caixabank)およびカハス・ルラレス・ウニダス銀行(Cajas Rurales Unidas)と結んだ抵当契約の解約を目標として合意。契約によると、両者は事業実施に向けてレバンテUDヌエボス・デザロジョス(Levante UD Nuevos Desarrollos)という特別目的会社を設立し、同社がスポーツシティ整備用地を所有する。また、クラブが同社の唯一のパートナー企業として協働する。
エスタディ・シウタ・デ・バレンシアは1969年に開場したサッカー専用スタジアム。今回の改修工事により、ラ・リーガの最新基準を満たしつつ、クラブの収益を最大化できる施設へと進化することを目指している。建築士としてプロジェクトに参加しているセザール・アズカラーテ氏は、地元スポーツ紙のSuperdeporteに対し、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で工事が短期間中断したものの、現在は予定通り計画の第1段階を進めていると明かし、次のように話した。
「シウタ・デ・バレンシアは大きく変わろうとしています。ラ・リーガでも中規模サイズのスタジアムということで様々な制約があり、さらに屋根がないという問題もありました。実際のところ、メインスタンド以外の客席には一切屋根がなかったので、屋根がほとんどないという表現の方が適切かもしれません。また、照明塔もピッチの外側に設置されており、理想的とは言い難い状況でした。
特に屋根がほとんどなかったというのは大きな問題でした。屋根は猛暑や雨といった悪天候から観客を守るだけでなく、サッカー特有の雰囲気を創り出す大事な要素です。屋根のあるスタジアムと屋根のないスタジアムは全く別物なのです。また、現代においては、テレビ放送のニーズを満たすスタジアムが求められています。
シウタ・デ・バレンシアの場合は、メインスタンド以外に屋根構造が全くなかったため、観客席を覆う屋根を新たに建造する必要がありましたが、そもそもスタジアム周辺のスペースが限られていたため、大きな屋根を支える構造にするのが非常に難しいのです。そのため、既存の躯体に新たな屋根構造を乗せる目的で、屋根を特別軽くしなければなりませんでした。スタジアム設計において一般的な手法とはいえませんが、実践しているスタジアムも存在します」
レバンテは2020年8月12日、スタジアム改修工事の進捗状況を伝える動画を公開。アズカラーテ氏は、改修後はラ・リーガでも屈指の快適性を提供するスタジアムになるとしたうえで、次のように話した。
「中規模サイズのスタジアムならではの雰囲気というものがあります。屋根や必要なインフラがすべてそろい、第2段階でファサードも完成すれば、入場口やホスピタリティエリア、プレスエリア、更衣室など、すべてが刷新された最先端のスタジアムに生まれ変わるのです」
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元記事 - Levante stadium project aided by financing deal
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