オーストラリア北部のノーザンテリトリー(北部準州)をホームタウンとするオーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)参入チーム創設を目指すAFLノーザンテリトリー(AFLNT)は、首府ダーウィンに建設を計画する25,000席の新スタジアムのデザイン案2案を公開した。
民放局のSevenの報道によると、新スタジアムの総工費は3億豪ドル(約274億円)。ダーウィン市内の中央商業地区で、クリケットやAFLで使用されているTIOスタジアムよりも市の中心部に近い場所に建設される。
2022年5月下旬に公開されたデザイン案は、大きな屋根が躯体のほとんどをカバーし、屋根中心部のオクルスが印象的な準ドーム型スタジアムのA案とオープンな構造のスタジアムのB案の2案。チーム創設とスタジアム整備を推進するAFLNTのチーム・タスクフォース(Team Taskforce)は、事業計画策定や実現可能性調査を実施するためにプロフェッショナルサービス会社のプライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers＝PwC)と協議していると報じられている。
また、Fox Sportsによると、2021年にAFLNTが作成した報告書では、新チームの年間運営費は4,500万豪ドル(約41.3億円)で、毎年1,500万豪ドル(約13.8億円)の赤字経営となることが予測されている。
AFLNTのチーム・タスクフォースは北部準州政府のスポーツ大臣、ケイト・ワーデン氏とAFLNTのショーン・バウデン理事長が共同会長を務めている。AFL参入チームの選考プロセスは長期的視点で検討され、現時点では特に公募期限が設定されることはないと報じられている。ただ、新チームは首府ダーウィンだけでなく、オーストラリア中心部にあるノーザンテリトリー第2都市のアリス・スプリングス市でもホーム戦を開催できることが重要な参入要件となりそうだ。
アリス・スプリングス市は、ノーザンテリトリーの『レッドセンター(赤い中心部)』と呼ばれる砂漠の都市で、首府ダーウィンが雨季の間は代替ホームとして最適だとされている。
AFLは現在、18チームで構成されており、AFLNTのチーム・タスクフォースは、ノーザンテリトリーの新チームを20番目のAFLチームとして参入させたい意向だ。なお、19番目のAFLチームは、オーストラリア南部のタスマニア州をホームタウンとするチームが有力で、AFL委員会が2022年8月に参入の是非を決める投票を実施する。
タスマニア州政府は2022年3月、AFL参入が決まった場合に整備される27,000席の新スタジアムの概要を公表した。タスマニアの新スタジアムの総工費は7億5,000万豪ドル(約687.5億円)で、州都ホバートのレガッタ・ポイント地区に整備される。同州のスタジアム管理公社のスタジアムス・タスマニア(Stadiums Tasmania)が10年をかけて戦略計画を立てていくことになる。
※換算額はすべて2022年5月下旬時点のもの
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元記事 - Northern Territory steps up AFL effort with Darwin stadium proposal
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