オーフス市の新スタジアム建築コンペ、ザハ・ハディド・アーキテクツらの設計案を選定
オーフス市の新スタジアム建築コンペ、ザハ・ハディド・アーキテクツらの設計案を選定

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オーフス市の新スタジアムの完成イメージ
オーフス市の新スタジアムの完成イメージ (画像:AGF)

デンマークの第二都市、オーフス市が整備予定の、新サッカースタジアム設計業務の建築コンペは、イングランドのロンドンに拠点を置くザハ・ハディド・アーキテクツ(Zaha Hadid Architects)社、デンマークのスウェコ(Sweco)社、トレディエ・ナトゥル(Tredje Natur)社で構成される設計JVの、『森のアリーナ』案が選定された。

オーフス市が募集した新スタジアムの建築コンペには、42チームが応募し、2021年12月に6チームの設計案が第一選考で残った。その後、2022年5月に前述のザハ・ハディド・アーキテクツを中心とする設計JVのほか、コベ(Cobe=デンマーク)社、AFL アーキテクツ(AFL Architects=イングランド)社、構造設計の専門会社のブロ・ハッポルド(Buro Happold=イングランド)社の設計JV、そしてドルテ・マンドラップ(Dorte Mandrup=デンマーク)社、クリスティン・イェンセン・ランドスカブ&アルキテクトゥル(Kristine Jensen Landskab & Arkitektur=デンマーク)社、シュライヒ・ベルゲルマン・パートナー(Schlaich Bergermann Partner=ドイツ)社、ビルクモーセ・コンサルティング(Birkmose Consulting=デンマーク)社、AGN(デンマーク)社、建設コンサルタントのソーレン・イェンセン(Soren Jensen Radgivende Ingeniorfirma=デンマーク)社の6社で構成された設計JVの計3チームが最終選考へと進み、今回勝者が発表された。新スタジアムは、デンマーク・スーペルリーガ(1部)のオーフスGFの本拠地として利用される。

新スタジアム内部のイメージ
新スタジアム内部のイメージ (画像:AGF)

ザハ・ハディドの設計案は、現在のスタジアムを囲むコンゲルンデン地区の森林からヒントを得たデザインが採用されており、同社が取り組んでいるイングランドのサッカー、EFLリーグ1(3部)のフォレストグリーン・ローヴァーズの新スタジアム『エコ・パーク・スタジアム』のデザインと共通するテーマを垣間見ることができる。観客席は厚みのある観戦体験を創出する1層式スタンドで構成される。なお、建設資金の大部分は、リント・インベスト(Lind Invest)社とサリング・フォンデーネ(Salling Fondene)社が提供する。

木材を多用したコンコースのイメージ
木材を多用したコンコースのイメージ (画像:AGF)

建築コンペを制したザハ・ハディドの設計案は、長い歴史を持つマーセリスボーの森林や、地域の象徴的な陸上競技場として親しまれたスタディオンハレルネの旧管理棟の特別な重要性を正しく理解し、新スタジアムが提示する未来と旧陸上競技場跡地の歴史的な意義を前向きに解釈したことが高く評価された。

オーフス市の評価報告書では、ザハ・ハディドらの設計JVの提案について、「建設用地の周辺環境との強い結び付きが感じられる。また、当該設計案は独自の特徴が顕著であると同時に、オーフスにおける特別なスタジアムとしての象徴的な存在感も放っている」と評価している。

新スタジアムは、周辺地域を含むオーフス・スポーツ・パークを持続可能なレクリエーション地区として再開発する『ビジョン・コンゲルンデン(Vision Kongelunden)』の一環として推進される。

今回の建築コンペでは、新スタジアムの総工費が5億8,500万デンマーク・クローナ(約111億円)と定められていたほか、座席数は2万席としつつ、立見席の増設により最大24,000席まで拡張可能な仕様、また必要に応じて2,000席の増席が可能な設計案が求められていた。

新スタジアムと旧陸上競技場の管理棟の鳥瞰イメージ
新スタジアムと旧陸上競技場の管理棟の鳥瞰イメージ (画像:AGF)

今後は、2023年上半期中にザハ・ハディドらの設計JVとオーフス市、AGF社の協働の下で建設計画を進めていくほか、施工業者の選定も進められる。

2023年下半期には詳細な施工計画が練られ、2024年に既存の陸上競技場の段階的な解体が始まる。なお、建設は4段階で実施され、新スタジアムは2026年に開場する予定だ。

オーフスGFのラルス・フォルネイ会長は、新スタジアムの設計案が決定したことについて次のように話した。

「本日は、オーフスGFだけでなく、オーフス市全体にとって実に喜ばしい一日となりました。私たちは、何年も前から現代的で新しいサッカースタジアムができることを夢見てきており、今日、その夢の実現に向けた最初の一歩を見ることができました。

ただ、まず最初に、それぞれ2億5,000万デンマーク・クローネ(約47.4億円)ずつ寄付をしてくれたサリング・フォンデーネ社とリント・インベスト社に謝意を述べたいと思います。両社の善意なくして新スタジアム計画の実現は不可能で、特にオーフス市とオーフスGFとしては感謝の気持ちでいっぱいです。

ザハ・ハディド・アーキテクツが提示してくれた設計デザインは、ユニークかつ美しいだけでなく、マーセリスの森という我々にとって特別な場所、そしてデンマークを代表する建築家のアクセル・ホゥ・ハンセンの象徴的な作品である陸上競技場の歴史と遺産に敬意を表したものでした。新スタジアムは間違いなくオーフス市のランドマークとして愛され、今後何十年にもわたり、多くのオーフス市民に喜びをもたらしてくれることでしょう」

また、オーフスGFは、新スタジアムにおける国際試合開催に関するデンマーク・サッカー協会(DBU)の意向について、DBUと合意したと発表した。オーフスGFは現在、収容人数19,400人のスタジアムと隣接する屋内アリーナで構成されるオーフス・イドラェアツパルクを本拠地としている。

*換算額はすべて2022年12月下旬時点のもの

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Zaha Hadid's 'Arena of the Forest' vision chosen for new Aarhus stadium

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