OZスポーツ社、スポーツ中継に導入可能な観客合成ソリューション『OZアリーナ』を開発
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OZスポーツ社が開発したVFX合成ソリューション『OZアリーナ』
OZスポーツ社が開発したVFX合成ソリューション『OZアリーナ』 (画像:OZ Sports/RVX Productions)

アメリカのスポーツ・テクノロジー企業のOZスポーツ(OZ Sports)社は、2020年5月に発表した『OZアリーナ(OZ Arena)』製品のパイロット事業について、現在サッカークラブとの協働で導入を進めていることを明らかにした。

OZアリーナは、大型イベント施設における新型コロナウイルス(COVID-19)感染予防対策ソリューションとして、OZスポーツが映画などの視覚効果(VFX)や拡張現実(AR)を製作するRVXプロダクションズ(RVX Productions)社と共同開発した製品。無観客試合が放映された際の観戦体験向上を目的として開発され、すでにスポーツ業界は好意的に反応しているという。

OZアリーナについて、OZスポーツのグジョン・グジョンソン最高経営責任者(CEO)はTheStadiumBusiness.comに次のように話した。

「OZアリーナを発表して以来、非常にポジティブなご意見を多くいただいております。 世界中のメディアに報道していただいておかげで、多くのスポーツの競技連盟やクラブ、放送局からお問い合わせをいただいております。

現在、リーグや放送局と協議し、さらにパイロット事業に参加してくださるサッカークラブも決まりましたが、残念ながら現時点では詳細はお話しできません」

OZスポーツはアイスランドの首都レイキャヴィクに本社を置いているが、ロンドンや中米、フロリダ、インドにも事業所を構え、これまでに北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)やポーランドのエクストラクラサ(1部)、インターナショナル・マネジメント・グループ(IMG)、ラガルデール・スポーツ(Lagardère Sports)社、そして欧州放送連合(European Broadcasting Union=EBU)といった組織と協業してきた実績がある。

OZ Sports and RVX - Stadium Augmentation (動画:OZ.com)

OZアリーナは、高度なAR技術を駆使して生放送の中継映像に観客データを動的に追加する仕組みで、現在はサッカー用に開発されている。同社の統合プラットフォーム『OZコネクテッド・スタジアム(OZ Connected Stadium)』に組み込むことも可能だ。

ユーザーはアバターや応援しているクラブのユニフォームを選択し、アバターの顔にフェイスペインティングを施したり、スタジアム内のお気に入りの座席に自身のアバターを表示することができるほか、生中継の映像に音声のみで参加したり、没入型視覚参加によりユーザーの声が聞こえるようにすることもできる。OZアリーナの技術を使えば、無観客のスタジアムを満員のスタジアムに変換したり、必要な数の観客データを無観客のスタジアムに反映させることも可能だ。

スポーツ市場におけるOZアリーナの幅広い用途について、グジョンソン氏は次のように話した。

「OZアリーナの技術はサッカーだけでなく、スタジアムで興行するすべてのスポーツに応用することが可能で、例えばモータースポーツにも利用できます。

新たにリーグ全体でOZアリーナを導入する場合、弊社は当該リーグのIT・技術部門から試合会場となる全スタジアムのCADモデルを提供してもらいます。チケット購入者が仮想スタジアムで座席を選択できるオンライン技術だけでなく、スタジアム全体のデータを入手してOZアリーナの導入を始めていくのです。

新たに整備されたばかりのスタジアムへの導入にはある程度の時間を要しますが、弊社ではこのプロセスの合理化を進めており、アイスホッケーやテニス、バスケットボールなど、うまくいった事例もあります」

OZアリーナは、コロナの時代でもスポーツの生観戦が楽しい体験になるよう開発されたソリューションだ。グジョンソン氏は、同社がOZアリーナの開発にあたり、eスポーツ市場で導入されている映像技術からヒントを得たとしたうえで次のように話した。

「ゲームの世界では、ユーザーの行動に呼応するかたちで統計データを表示するソリューションが多く開発されています。OZスポーツでは、最高画質のゲームで使用されているリアルタイムCGデータと実写データをVFXで融合する方法にヒントを得ました。

こうして、実際に行われているスポーツイベントの生中継映像に、ユーザーが制御しているアバターをVFX合成することが可能になったのです。弊社にとっては、まさに新たな冒険の始まりです」

OZアリーナは、OZコネクテッド・スタジアムの統合システムの一部として、試合ごとの映像制作でも利用可能なソリューションで、放送局の中継施設や中継車、またはスタジアムで導入できる。

また、グジョンソン氏は、スタジアムにOZアリーナを導入する際の技術的な課題について次のように説明した。

「放送局やクラブの方にとって、OZアリーナの導入や運用を簡素化するのが弊社の仕事です。

同じリーグの各スタジアムにおける準備作業は通常は1度で完了しますが、必要な映像やデータ、スタジアムのCADデータにアクセスすることが必須なので、準備作業は非常に重要になってきます。なお、マッチデーの実際の中継時は、OZスポーツの担当チームが遠隔で運用します」

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Multi-sport use targeted for OZ Arena

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