フランスのパリ市は、同国の大手建設グループのブイグ(Bouygues)が2024年パリ五輪・パラリンピック会場のアリーナ・ポルト・ドゥ・ラ・シャペル整備事業のコンソーシアムを率いることを発表した。
併せて、グループ企業のブイグ・バティマン・イル＝ド＝フランス(Bouygues Bâtiment Île-de-France)社と建築設計事務所のSCAU社とNP2F社が、アリーナ・ポルト・ドゥ・ラ・シャペル（通称『アリーナ2』）の設計、建設、技術運用を担当することも発表された。
同社と事業契約を締結したパリ市は、アリーナ・ポルト・ドゥ・ラ・シャペル整備事業は建築、景観、機能性、環境、節電、維持管理計画の面で要求される質の高さから、同市が定める1等級事業に相当するとし、耐用年数が10年以上となる設計が求められると説明した。
8,000席の同アリーナは、2024年パリ五輪・パラリンピックではバドミントン、パラバドミントン、パラテコンドーの会場として使用され、大会後はフランスのバスケットボール、LNB Pro B(2部)のパリバスケットボールの新たなホームアリーナとなることが決まっている。
アリーナ・ポルト・ドゥ・ラ・シャペルは、急速に開発が進んでいるポルト・ドゥ・ラ・シャペル地区を象徴する新たなランドマークとなることが見込まれており、ガラス壁や木造建築、そして1,700m2の緑あふれる広場が特徴だ。パリバスケットボールの公式戦以外では、バスケットボール以外の屋内スポーツやコンサート、会議イベントも開催される。
建設費は、2024年五輪の招致文書で予測されていた費用を800万ユーロ(約9.7億円)上回る9,800万ユーロ(約119億円)となる予定で、五輪関連施設やパリ市のインフラ事業を管理する五輪事業整備公社(SOLIDEO)が資金を調達する。なお、パリ市は同アリーナとは別に、新たに体育館2棟と多目的施設を整備するための2,000万ユーロ(約24.3億円)の整備資金を用意する。
パリ市のスポーツ担当補佐官であるジャン・フランソワ・マルティンス氏はLe Parisienに対し、次のように話した。
「パリには、収容人数約2万人のアコーホテルズ・アリーナと収容人数約4,000人のスタッド・ピエール・ド・クーベルタンの間に位置する、屋内スポーツやイベント会場となる中規模サイズのアリーナがなかったため、アリーナ・ポルト・ドゥ・ラ・シャペルの整備はまさに悲願でした。
新アリーナが完成すれば、ポルト・ドゥ・ラ・シャペル地区の新たなイメージ、そしてアイデンティティとなるでしょう。そして、都市計画の観点からは、パリとセーヌ＝サン＝ドニを繋ぐ交流点が誕生することになるでしょう」
建設工事は2021年6月に着工し、2023年7月には竣工予定。また、ブイグは2020年5月に2024年パリ五輪・パラリンピックの水泳競技会場となるル・サントル・アクアティーク・オランピーク(CAO)の整備事業契約を締結したばかりだ。CAOは2024年大会用に新たに整備される2ヶ所の新規恒久施設のひとつで、サッカーのフランス代表の本拠地のスタッド・ドゥ・フランスの真正面に整備され、アーティスティック・スイミングやダイビング、水球の開催会場となる。なお、もう1ヶ所の新規恒久施設がポルト・ドゥ・ラ・シャペル地区のアリーナ2となる。
※金額はすべて2020年6月上旬で換算
Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - Bouygues builds Paris 2024 arena portfolio
THE STADIUM HUBの更新お知らせはこちらをフォロー
Twitter：@THESTADIUMHUB
Facebook：THE STADIUM HUB
