イングランドのサッカー、EFLリーグ1(3部)のリンカーン・シティFCの新スタジアムを含む大型複合商業地帯建設計画の建築開発許可申請について、英国政府は審議を必要としないと決定したため、同計画がいよいよ実現する運びとなった。
リンカーン市議会は2022年1月12日にこの大型複合商業地帯『ウェスタン・グロウス・コリドア』の開発計画を承認しており、政府の決定を受けた同月20日、市議会は開発決定通知を発行した。
ウェスタン・グロウス・コリドアは、リンカーン市議会とリンダム・ウェスタン・グロウス・コミュニティ(Lindum Western Growth Community)の共同開発事業で、リンカーン市にとってはここ数十年で最大規模の開発となる。施設のライフサイクルで5億ポンド(約774億円)以上の投資をリンカーン市にもたらし、数百の新規雇用を創出すると試算されている。
ウェスタン・グロウス・コリドアの完成により、新たに3,200戸の住宅、レジャー宿泊施設、工業団地、そしてリンカーンの交通渋滞を緩和するための交通インフラがリンカーン市に生まれることになるほか、計画の第4段階に含まれている新スタジアムも3年目には完成予定とされている。ただ、ウェスタン・グロウス・コリドアの全体工期は22~23年を予定しており、新スタジアム建設事業も起工には数年かかる可能性が高い。
ウェスタン・グロウス・コリドア開発計画については、1月12日の市議会に先立ち、地域住民から250件以上の苦情が寄せられるなど、賛否が分かれたことを受け、リンカンシャー州議会が英国政府に介入を要請。交通渋滞の問題が解決されていないとして、政府による審議の必要性を訴えたが、政府がこれを却下した格好だ。また、立地となるスワンプール地区では洪水が多発していることからも反対意見が多かった。
ただ、市議会は、交通渋滞や洪水に関する懸念については対策を提示済みと捉えており、開発は今年の下半期に正式に始動すると考えられている。リンカーン市議会のリック・メトカーフ議長は、政府の決定について次のように話した。
「ウェスタン・グロウス・コリドア開発許可申請について、政府が審議要請を却下し、市議たちに最終決定権を託してくれたことを大変嬉しく思っております。
開発許可申請は市の条例を遵守しており、市の地域開発計画の枠組みの中で認められているものです。政府は、市が計画を進められるよう、迅速かつ好意的に審議要請を却下してくれました。開発決定通知も発行され、近い将来に計画が始動するのを楽しみにしております」
また、リンダムのマーク・フォスター企画部長は次のように話した。
「ウェスタン・グロウス・コリドア開発計画が政府の審議対象にならなかったことを嬉しく思っております。地域コミュニティや区議の皆様、そして高速道路を管轄するリンカンシャー州議会と協議を重ね、リンカーンにとって正しい開発スキームを提示していきたいと考えております。
申請手続きの中で挙げられた懸念につきましては、私たちもしっかりと受け止め、市議会の建築開発委員会でも協議いたしました。私たちも課題については正していきたいと考えております。ここまで来るのに長い年月と多くの方々の努力がありましたので、計画が動き出したことを嬉しく思っております」
リンカーン・シティFCは1895年に開場したLNERスタジアムを本拠地としており、新スタジアム建設の動きについては慎重な対応に終始している。
※金額はすべて2022年1月下旬で換算
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元記事 - Final approval granted for Lincoln City stadium venture
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