イングランドの15人制ユニオン式ラグビーを統括するラグビー・フットボール・ユニオン(Rugby Football Union =RFU)は、競技規則決定機関のプロフェッショナル競技委員会(Professional Game Board=PGB)が、ギャラガー・プレミアシップ(1部)への昇格要件のひとつであるスタジアム収容人数に関する規定を一時的に改定したと発表した。
2022-23年シーズン閉幕時点で、本拠地スタジアムの収容人数が5,000人以上のクラブは、条件付きでギャラガー・プレミアシップへの昇格が可能になる。これまでは、収容人数が10,001人以上の本拠地スタジアムを持つことが厳格な昇格要件として明記されていたため、2021-22年シーズンのRFUチャンピオンシップ(2部)優勝のイーリング・トレイルファインダーズと準優勝のドンカスター・ナイツが共に昇格できないという事態となり、昇格規定の見直しを求める声が多くなっていた。
今後、RFUチャンピオンシップに所属するクラブは2023年1月に監査を受け、本拠地スタジアムの収容人数が5,000人以上で、2年以内に10,001人に拡張改修するための建築開発許可を取得済みであり、さらに改修実施に必要な資金調達の目途が立っていればプレミアシップ昇格要件を満たすことになる。監査後には、改修工事を請け負う業者との契約合意も証明しなくてはならない。
また、RFUは、 当該スタジアムが『1975年 スポーツ競技場の安全に関する法律(Safety of Sports Grounds Act 1975)』が定める『認定競技場(Designated Ground)』でない場合は、自治体による認可外安全認証、改修実施保証と公式の確約が追加で必要になるとしている。
2023年1月の監査対象クラブは、2024-25年シーズン開幕時に本拠地スタジアムの収容人数が10,001人以上で、法廷安全認証を取得済みであることが求められ、これらを満たしていない場合は昇格が認められない。
PGBのフィル・デ・グランヴィル会長は、規定改定について次のように説明した。
「PGBとしては、自治体による小規模スタジアムの安全認証、ファンやスポンサー、TV放送局などメディアの皆様のことを考慮すると、やはり最低収容人数の10,001人という要件は非常に重要だと考えております。
同時に、昇格への挑戦の厳しさであったり、昇格クラブのプレミアシップ定着の難しさという現実もあるため、RFUチャンピオンシップのクラブにはプレミアシップ昇格後にスタジアム収容人数を10,001人に改修する移行期間を設けてサポートしていきたいと考えております」
昨シーズン、スタジアム基準によって昇格を逃した2クラブのうち、RFUチャンピオンシップ準優勝だったドンカスター・ナイツは、本拠地『カッスル・パーク』の収容人数を現行の5,139人から10,015人へ拡大する計画を発表した。
ただ、優勝したイーリング・トレイルファインダーズの広報担当者は、スタジアムの収容人数について次の見解を述べた。
「イーリング・トレイルファインダーズは、昇格クラブの観客動員数は持続可能なペースで増加すべきで、昇格クラブや昇格を目指しているクラブが、稼働率の低いスタンドや施設に対し、不確実で持続不可能かつ不必要な巨額の支出を急いで決定しなくてはならない状況に追い込まれるべきではないと考えております。また、高額の契約金が必要であるにもかかわらず不確定要素の多い他スタジアムの共用案についても、クラブのホームタウンの核となるファンベース、職員やスタッフ、そして何よりも地域コミュニティからクラブが物理的に遠く離れてしまうという観点から、理想的な提案とは考えておりません」
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元記事 - English rugby temporarily lessens capacity rules for promoted teams
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