オランダのサッカー、エールディヴィジ(1部)のAZアルクマールは、バックスタンドの屋根が一部崩落した本拠地『AFASスタディオン』の調査が終了し、屋根を支えるトラス桁の上側接合部の破損が崩落の原因だったと公表した。
AFASスタディオンのバックスタンドの屋根は2019年8月、強風が吹いた際に崩落。クラブはエンジニアリング&コンサルティング会社のロイヤル・ハスコニングDHV(Royal HaskoningDHV)社に調査を依頼していた。幸いにも、事故が発生した日はノンマッチデーで、人身に被害は一切なかった。
バックスタンド側の屋根にはサンプロジェクツ(Sunprojects)社の太陽光発電パネルが設置されていたことから、調査開始後には一部メディアが同社製品の重量が崩落の原因と指摘したが、サンプロジェクツはこれを真っ向から否定していた。2019年9月にロイヤル・ハスコニングDHVが公表した中間報告では、強風による過負荷が原因としていたが、最終報告では構造面の問題も指摘したかたちだ。
報告書の中でロイヤル・ハスコニングDHVは、設計ミスにより、スタンドと屋根を繋ぐトラス桁の上側接合部が構造的に薄過ぎたこと、そして昨夏の強風による過負荷で接合部が破損したことが、屋根崩落の主原因だと指摘。ただ、スタンドと屋根の接合部自体は、スタジアムが開場した2006年に発生した嵐の影響で既に脆弱な状態になっていたと付け加えた。
なお、同社は、サンプロジェクツの太陽光発電パネルは、屋根の崩落に一切影響していないと断定した。
AZアルクマールのジェネラル・ダイレクター、ロベルト・エーンホールン氏は、最終報告の内容について次のように話した。
「バックスタンドの屋根崩落について、ロイヤル・ハスコニングDHVが本当に緻密な調査を実施してくれたおかげで、原因が明らかになりました。
崩落が発生したのがノンマッチデーで、誰も怪我をしなかったのことは本当に幸運でした。今後は、コロナ禍が終息し次第、関係各社と協議して未来に向かって進み始めなければなりません。
今、世界でも最も重要なことは健康でいることですが、新たな屋根構造の進捗状況については、常に最新情報をお届けしていきたいと思います。もちろん、クラブのサポーターや職員の皆様の安全は、私たちにとって最優先事項です」
AFASスタディオンの現在の収容人数は約17,000人だが、クラブは2,500~5,000席の増設を目指しており、2019-20年シーズン中は屋根を完全には修復せず、シーズンオフの夏季に拡張改修を見据えた新たな屋根構造の設置を目指していた。だが、オランダでも新型コロナウイルス(COVID-19)の感染は拡大していることから、改修工事も延期が現実的だ。
AZは2019年12月15日にAFASスタディオンに帰還するまで、ADOデン・ハーグの本拠地『カーズ・ジーンズ・スタディオン』を代替ホームとして利用していた。
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元記事 - REASONS FOR AZ STADIUM ROOF COLLAPSE REVEALED
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