シンガポール・スポーツ・ハブは、二酸化炭素削減に向けて世界を代表する化学メーカーのダウ・ケミカル(DowChemical)社とパートナーシップ契約を締結した。
ダウ・ケミカルは今回のパートナーシップについて、同社が国際オリンピック委員会(International Olympic Committee=IOC)と締結したパートナーシップ・プログラムにおける初のシンガポールのプロジェクトとなり、さらに施設所有者との初のコラボレーションとなると話した。同社は、シンガポール・スポーツ・ハブの通常運営時以外のエネルギー効率実績に基づき、温室効果ガスの削減目標を数値化するため、施設および都市開発設計事業者のアラップ(Arup)社と協業する。
シンガポール・スポーツ・ハブは5万5,000席のナショナル・スタジアム、6,000席のOCBCアクアティックセンター、3,000席のOCBCアリーナなどの施設群で構成される多目的スポーツ&エンターテインメント地区だ。
ダウ・ケミカルはDPアーキテクツ(DP Architects)、アラップ、AECOMといった企業との協業により、シンガポール・スポーツ・ハブの温室効果ガス削減実績は、シンガポール国内の建築基準や持続可能な公共施設として求められる要件を満たしているとした。
ダウ・シンガポール&マレーシア(Dow Singapore & Malaysia)社のポール・フォン地域担当ダイレクターは、シンガポール・スポーツ・ハブとのパートナーシップについて次のように話した。
「建物や建設が最もエネルギーと資源を消費する業界なのは明らかで、ダウではこの事実について何ができるかを模索してきました。
どうすれば建設業界がコストや安全面、テナントの快適性、設計の自由といったことを妥協せずに、高パフォーマンスを実現する低炭素ソリューションを選択できるのか。今回のシンガポール・スポーツ・ハブのプロジェクトを通じ、パートナー企業との協業があればこの目標は実現できると確信しました」
また、シンガポール・スポーツ・ハブのライオネル・イェオ最高経営責任者(CEO)は次のように話した。
「今回のシンガポール・スポーツ・ハブのプロジェクトでは、より持続可能で健康で、そしてアクティブな社会づくりを目指しています。
ダウ・ケミカルとのパートナーシップは、当施設のような大規模施設における順応性と持続可能性の分野で、新たなスタンダードを作り上げたことを証明するものです。シンガポール・スポーツ・ハブのナショナル・スタジアムの実例を挙げてみましょう。
5万5,000席を誇るナショナル・スタジアムでは、同規模の建築構造物で使用される1㎡あたりの鉄骨量の1/3の鉄骨しか使用せず、さらに従来の空調付きスタジアムの電力使用量と比較しても、15%削減を実現しています」
なお、ナショナル・スタジアムのファサード、屋根パネル、店舗や屋内オフィスエリアでは、ダウ・ケミカルのシリコーンシーリング材(シーラント)が採用されている。ダウ・ケミカルは、ナショナル・スタジアムで2016年1月から2020年12月の間にCO2換算で実質約126メートルトンの温室効果ガス削減が実現した背景には、同社の製品による貢献もあるとしている。シンガポール・スポーツ・ハブのライフサイクルにおいては、CO2換算で合計約1,450メトリックトンの温室効果ガスが節約されると試算されている。
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元記事 - SINGAPORE SPORTS HUB SIGNS GREEN PARTNERSHIP WITH DOW
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