編集者コラム第19回 ~ 鮮やかに開花したヨドコウ桜スタジアムのこけら落としに行ってきた ~ (前編)
(取材と文、写真・筑紫直樹)
2021年7月17日(土)、セレッソ大阪の本拠地である長居球技場がアップグレード改修を経て、新たに『ヨドコウ桜スタジアム』としてリニューアルオープンしました。ネーミングライツは、今回の改修の大きな特徴でもある新メインスタンドとホームゴール裏の屋根を製造した株式会社淀川製鋼所が獲得しました。
実際は、スタジアム改修後の最初の試合は6月9日に開催された天皇杯2回戦のガイナーレ鳥取戦だったのですが、正式なこけら落としはこの日のJ1第20節のセレッソ大阪vsヴィッセル神戸の一戦となりました。観客席が日本一ピッチに近いスタジアムとして知られるヨドコウ桜スタジアムの晴れ舞台をレポートします。
ヨドコウ桜スタジアムのある大阪市の長居公園の最寄り駅は、JR阪和線の鶴ヶ丘駅(スタジアムから徒歩3分)と地下鉄御堂筋線の長居駅(徒歩7分)があります。鶴ヶ丘駅のプラットフォームからは、新たに完成したメインスタンドの勇姿が目に入ります。鳥栖や京都もそうですが、やはり駅のプラットフォームから見えるスタジアムというのは格別です。
さすがにスタジアムに最も近い駅とあって、鶴ヶ丘駅構内にはセレッソのエンブレムや2017年の天皇杯とルヴァン杯優勝時の記念写真、そして現役選手の応援バナーなど、ホーム感を醸し出す視覚的な演出が満載です。逆に、対戦相手のサポーターにとっては、ここがアウェーの地であるということが強烈に伝わってくるラッピングとなっており、威圧効果は抜群です。クラブとJRの親密な関係、というよりセレッソ愛が直に伝わってきます。
鶴ヶ丘駅を出ると、すぐにメインスタンドの全貌が目に入ってきます。また、入場客の誘導のために簡易フェンスが設置されていましたが、その色はもちろんセレッソを彷彿させるピンク。このような細かいこだわりが空間演出には欠かせないと教えてくれます。
メインスタンドの一般入場口は2か所で、その両方がそれぞれナカバヤシゲートとコーナンゲートというネーミングライツ(命名権)スポンサーの社名を冠したものとなっています。
新メインスタンドとホームゴール裏スタンドの間には新たなクラブショップが開設されており、この日はまだ仮設店舗として商品を販売していましたが、各グッズの鮮やかなクラブカラーがスタジアムに華を添えていました。
新メインスタンドの反対側に位置するバックスタンド(旧メインスタンド)側に足を運ぶと、スタグルやグッズショップのブースが並んでいます。その中に、ひときわ目立つ大きなブースがありました。そう、こけら落としグッズが販売されていたのです。セレッソ大阪は、「新しいスタジアムとともに覚醒したセレッソが栄光を掴む」という思いを込めた『セレボリューション(CEREVOLUTION)』を今回のこけら落とし、そして今後のサマーコンセプトとして展開していくとしており、セレボリューションに含まれる 「REVOLUTION=変革」 と 「EVOLUTION=進化」 は、まさに新たに生まれ変わったヨドコウ桜スタジアムを象徴するものでした。
セレボリューショングッズは、スタジアムでの実店舗とオンライン限定の両方で販売され、多くのサポーターが興味津々にグッズを手に取っていました。なかには、スタジアムのナノブロック®を自分用に購入しているスタジアムマニアの紳士もおり、スタジアムグッズやこけら落としグッズが真の意味で市民権を得る日も近いのではと感じました。
<つづく>