野球の北米最高峰、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)は2021年8月12日(現地時間)、名作映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となったアイオワ州ダイアーズビルで『MLBアット・フィールド・オブ・ドリームス』を開催した。構想6年、企画2年の時を経て、シカゴ・ホワイトソックスとニューヨーク・ヤンキースという人気球団の対決がアイオワ州初のMLB公式戦として実現した。
映画が公開された1989年以降、撮影の舞台となったランシング・ファミリー・ファームは人気観光地となり、現在は『フィールド・オブ・ドリームス・ムービーサイト(Field of DreamsMovie Site)』として知られている。2011年には、フィールド・オブ・ドリームス・ムービーサイトを野球ファンや選手、その家族にとって特別な場所として保全するために、デニーズ・スティルマン氏と投資家たちが同地を購入。
スティルマン氏は、同地で特別な試合を開催することを目指し、2015年からMLBと協議を開始したが2018年に死去。その後、2020年8月13日にMLBアット・フィールド・オブ・ドリームスが開催されることが決まったものの、新型コロナウィルスの世界的な蔓延を受け、1年の延期が決定されていた。
MLBは、公式戦開催が可能な8,000席の仮設球場を建設するため、BaAMプロダクションズ(BaAMProductions)、ポピュラス(Populous)、ブライトビュー(BrightView)の三社と業務委託契約を締結。センターフィールドの壁の背後に設置したブルペンは、ホワイトソックスが1910～1990年まで本拠地としていたコミスキー・パークのブルペンをモデルにした。
仮設球場の建設には、およそ23万㎥の物の移動、そして4千トンの砂と２千トンの玉砂利の芝生下の敷設を必要とした。また、ライトフェンスの背後にはトウモロコシ畑で造った迷路が整備され、ファン体験に華を添えた。
球場内だけでなく、その周辺の約64.3万㎡のトウモロコシ畑にも光を当てることができる特殊なナイター照明は、アイオワ州に本社を置くマスコ・ライティング(Musco Lighting)が設置。また、ライトフィールドのフェンスには、トウモロコシ畑に馴染んだ色合いで、支柱が畑の中に隠れて目立たなくなるデザインを採用した。
トウモロコシの茎は約3～3.66mの高さに育つため、スコアボードは手動式のものをライトフィールドのフェンスの背後に建てた。
なお、この記念すべき一戦は、9回裏にティム・アンダーソンが放った逆転サヨナラ2ランホームランでホワイトソックスが9×-8でヤンキースに勝利した。
『フィールド・オブ・ドリームス』はケビン・コスナー、レイ・リオッタ、ジェームズ・アール・ジョーンズ、エイミー・マディガンが出演した作品で、1990年のアカデミー賞では作品賞などにノミネートされた。アイオワ州で農業に勤しむレイ・キンセラとその家族の物語。アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)によると、トウモロコシ畑を世話するキンセラが耳にする「お前がそれを作れば、彼はきっとやってくる」という名セリフは、映画史に残る名セリフランキングの第39位にランクインしているとのことだ。
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元記事 - IOWA BALLPARK SET FOR MLB AT FIELD OF DREAMS
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