イングランドのサッカー、プレミアリーグ(1部)のアーセナルFCは、パリ協定の目標達成を目指してスポーツ界と国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が立ち上げた『スポーツによる気候変動対策の枠組み(Sports for Climate Action Framework )』に署名した同リーグ初のクラブとなった。
『スポーツによる気候変動対策の枠組み』は、スポーツ界が結束し、パリ協定で策定された目標の実現と2050年までの温出効果ガス排出量の実質ゼロの達成を目指す枠組みで、アーセナルのようなスポーツチームのほかにも、国際オリンピック委員会(IOC)や国際サッカー連盟(FIFA)、イングランドのザ・フットボール・アソシエーション(FA)といった大会や競技の統括組織も署名している。
なお、枠組みに署名した組織は、次の原則に対する支持を約束したことになる。
2019年に英国放送協会(BBC)と国連が後援したスポーツ・ポジティブ・サミット(Sport Positive Summit)の共同調査で、アーセナルはプレミアリーグの20クラブ中最もサステナビリティ面で優秀なクラブだと評価された。クラブは、今回の『スポーツによる気候変動対策の枠組み』への署名により、サッカー界におけるSDGs関連活動をさらに幅広く展開していきたい考えで、ファンやサポーターにも気候変動に関する取り組みに積極的に参加するよう促している。
2020年10月に、クラブの筆頭株主である米国人実業家のスタン・クロエンケ氏が所有するクロエンケ・スポーツ&エンターテインメント(Kroenke Sports & Entertainment=KSE)社がアルミニウムパッケージ製品メーカーのボール・コーポレーション(Ball Corporation)と包括的パートナーシップ契約を締結したことにより、ボール・コーポレーションはアーセナルのオフィシャル・サステナブル・アルミニウム飲料パッケージ・パートナーに就任。同社は、クラブの環境負荷低減活動に協力し、リサイクル活動や環境配慮事業の重要性の啓蒙活動も支援している。
また、アーセナルは2018年末に英国のサッカークラブとしては初となるスタジアム内大規模蓄電池をエミレーツ・スタジアムに設置し、ホーム戦1試合分の電力(2,700戸の住宅に2時間提供する電力量に相当)の自家供給に成功している。この蓄電池の再生可能エネルギーは、クラブとパートナーシップ契約を締結したオクトパス・エナジー(Octopus Energy)社によって提供されている。
アーセナルFCのハイウェル・スロマン運営部長は、『スポーツによる気候変動対策の枠組み』への署名について次のように話した。
「アーセナルFCは、プレミアリーグのサステナビリティリーダーとしてSDGsに真摯に取り組んでおり、今回、リーグで初めて国連の『スポーツによる気候変動対策の枠組み』に署名できたことを誇りに思っております。
私たちは2016年のオクトパス・エナジーとのパートナーシップによる100%グリーン電力の調達や、アルミパッケージ会社のボール・コーポレーションとの新たなパートナーシップ締結など、数々の取り組みをパートナー企業の皆様と共に実施しており、同時に世界中に何百万といるアーセナルファンの皆様と力を合わせて環境への負荷を低減する事業を実施しています。
アーセナルは今後も、クラブが持つ事業推進力と発信力を駆使し、世界中のアーセナルコミュニティと切磋琢磨しながら、より持続可能な未来に向かって邁進していきたいと考えております」
また、UNFCCC事務局で『スポーツによる気候変動対策の枠組み』を統括するリンディタ・シャフェリ=サリフ氏は、アーセナルの署名を次のように歓迎した。
「サッカーには、世界中の人々を感動させる力があります。今の状況は、サッカー界全体がこれまで以上にエコになり、気候変動に対して強い姿勢を世界中のファンに示す大きなチャンスなのです。今回、アーセナルFCがプレミアリーグのクラブとして初めて『スポーツによる気候変動対策の枠組み』に署名し てくれたことを非常に嬉しく思っています。この機会を通じ、さらに多くの方々に気候変動について関心を持っていただき、共に力を合わせて問題解決に取り組んでいきたいと思います」
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元記事 - ARSENAL SETS PREMIER LEAGUE FIRST WITH SUSTAINABILITY PLEDGE
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