特別大会を終えたMLS、2020シーズンの再開プランを発表
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ニューヨーク・レッドブルズの本拠地『レッドブル・アリーナ』
ニューヨーク・レッドブルズの本拠地『レッドブル・アリーナ』 (画像:NewYorkRedBulls)

サッカーの北米最高峰、メジャーリーグ・サッカー(MLS)は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響で中断していた2020シーズンの再開プランを発表し、各チームがホームタウンで試合を開催できるようになることを発表した。ただ、ニューヨーク・シティFCだけは、地元のライバルのニューヨーク・レッドブルズの本拠地『レッドブル・アリーナ』を利用せざるをえない状況だ。

2020シーズンのMLSは2020年2月29日に開幕し、第2節までを消化した後、COVID-19の影響で3月12日から中断していたが、2020年7月8日からフロリダ州オーランド市にあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内のESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックスで、特別大会の『MLSイズ・バック・トーナメント(MLS is Back Tournament)』を集中開催。全26チーム中(開幕直前に陽性患者を出して参加を辞退したFCダラスとナッシュビルSCを除く)24チームがオーランドに集結した。2020年8月11日の決勝では、ポートランド・ティンバーズが地元のオーランド・シティSCを2-1で破って優勝している。

特別大会が開催されたESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックス
特別大会が開催されたESPNワイド・ワールド・オブ・スポーツ・コンプレックス (画像:ESPNWideWorldofSportsComplex)

MLSイズ・バック・トーナメントのグループステージ(各チーム3試合)はMLSの2020シーズンの公式戦として数えられ、MLSは大会終了後の8月13日から2020シーズンが各クラブのホームタウンで通常開催されると発表していた。

アメリカ合衆国では、COVID-19で世界最多の累計感染者数・死亡者数が記録されており、MLSは各クラブのホームスタジアムにおいて、選手、コーチ、運営スタッフの定期検査を含む包括的な衛生管理・安全対策が実施されると強調した。

今後、各クラブはレギュラーシーズンの18試合をプレーし、2020年11月8日の最終節『MLSディシジョン・デー(MLS Decision Day)』でMLSカップ・プレーオフ進出チームがすべて決定する。MLSイズ・バック・トーナメントへの参加を辞退したFCダラスとナッシュビルSCの2チームは、他のチームに試合消化数で追いつくよう、当該2チームによる直接対決を3試合行なう。2020年8月12・16日に最初の2試合を、そして3試合目は今秋開催される予定だ。

なお、2020MLSカップ・プレーオフには、2019年の14チームより4チーム多い18チームが参加し、決勝となるMLSカップは2020年12月2日に開催されることが決まっている。

ただ、MLSにはアメリカ合衆国だけでなくカナダのクラブも参加しており、2国間の渡航には移動制限が課せられていることから、MLSはリーグ再開プランのフェーズ1として、9月14日まではアメリカ国内のクラブ同士で6試合を消化していくと発表した。

MLSは、引き続きカナダから参戦しているモントリオール・インパクト、トロントFC、バンクーバー・ホワイトキャップスがレギュラーシーズンを継続できるよう、3クラブと協議していくとしている。MLSのコミッショナー、ドン・ガーバー氏は、再開プランを実行した場合には難しい問題に直面することになると認めたうえで、次のように話した。

「カナダのクラブとの対戦については、簡単ではない問題があることは理解しており、準備を進めているところです。場合によっては、予定されている対戦を中断・延期しなければならないことも理解しています。サッカー業界も、ニューノーマルの時代に合わせて柔軟に対応できることが求められています。

MLSとしては、適切な再開プランを用意したと考えており、また、選手やクラブスタッフはMLSの感染予防対策の順守を徹底してくれていると考えていますので、すべて順調にいけば予定している試合数を消化できるはずです。ただ、選手たちの健康を守ることができない状況については対処が必要で、その対策がうまくいかなければ、さらなる中断も視野に入ってきます」

現時点では、各クラブのホームタウンで開催されるほとんどの試合が無観客試合となるが、MLSと各クラブの首脳陣は、試合によっては人数制限を設定したうえで観客の入場を許可して開催できるよう、各ホームタウンの保健当局や政府機関との協議を重ねているところだ。

ガーバー氏は、入場数を制限した状態で観客をスタジアムに入れることについて次のように話した。

「アメリカでは、入場者数制限を設定したうえで、スポーツイベントに観客を参加させている州がいくつかあります。そういった州のクラブが観客を入れて試合を開催したい場合は、まず運営計画を提出してもらいます。その運営計画がMLSの感染症専門医のガイドラインを遵守し、当該州とアメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention=CDC)の感染予防策を遵守していることが確認されれば、MLSが実現可能性をあらためて精査する流れになっています。

これらの条件をすべてクリアしていればMLSとしても検討しますが、現時点で承認された運営計画はありません。ただ、このプロセスはまだ開始されたばかりなので、再開プランのフェーズ1の時点で多くのスタジアムで観客を迎え入れる環境が整備されるとは考えていません。今後もスポーツイベントに観客を入れてもよいという州が増えたり、逆に観客を入れてもよいという州が方針を転換することもあるかもしれませんが、観客の人数制限の可能性については引き続きリーグとして精査していきます」

各クラブがホームスタジアムでの試合開催に向けて準備する中、ニューヨーク・シティFCは本拠地のヤンキー・スタジアムが現在、衛生管理・安全対策上の理由で野球の北米最高峰、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)公式戦以外のイベント開催が許可されていないことを受け、MLS再開プランのフェーズ1およびフェーズ2のホーム戦を地元のライバルであるニューヨーク・レッドブルズの本拠地『レッドブル・アリーナ』で開催することを発表した。

レッドブル・アリーナのピッチとスタンド
レッドブル・アリーナのピッチとスタンド (画像:NewYorkRedBulls)

ニューヨーク・ヤンキースのMLBシーズンが閉幕次第、ニューヨーク・シティFCはホーム戦をヤンキー・スタジアムで開催できるようになる。なお、フェーズ1ではレッドブル・アリーナは無観客試合しか開催できないため、ファンやサポーターの来場はない。

ニューヨーク・シティFCのブラッド・シムズ最高経営責任者(CEO)は、レッドブル・アリーナでホーム戦を開催することについて次のように語った。

「(マンハッタン区、ブルックリン区、クイーンズ区、ブロンクス区、スタテンアイランド区で構成される)5行政区内でホーム戦を開催できるよう徹底的に調べてみましたが、MLSが策定したCOVID-19感染予防策を遵守しているスタジアムということを考慮すると、現時点ではレッドブル・アリーナを利用するこ とが最善策だと判断しました。MLBシーズン閉幕後、ヤンキー・スタジアムに帰還できる日を楽しみにしています」

ニューヨーク・シティFCは、2020年2~3月のCONCACAFチャンピオンズリーグのホーム戦2試合もレッドブル・アリーナでの開催を余儀なくされ、クラブのサポーターたちが抗議の意思を示したことは記憶に新しい。今回の発表は、クラブが恒久的なホームスタジアムを必要としていることを改めて浮き彫りにした。

ニューヨーク・シティFCは2015年のMLS参入以来、ニューヨーク・ヤンキースの本拠地で知られるヤンキー・スタジアムを本拠地利用してきたが、2020年2月に25,000席の新スタジアムをブロンクス区に整備する計画案を発表したばかりだ。

ニューヨーク・シティFCのホーム利用(サッカー仕様)時のヤンキー・スタジアム
ニューヨーク・シティFCのホーム利用(サッカー仕様)時のヤンキー・スタジアム (画像:NYCFC)

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - MLS TEAMS SET TO RETURN HOME WITH LEAGUE RESUMPTION PLAN

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