英国に本社を置くエンターテインメント&プレゼン技術大手のアウトボード(OutBoard)社は、スポーツ施設市場参入を見据えて開発した『TiMax Crowdscape』を発表した。
これまでは主にエンターテインメント業界でのシステム導入に注力してきたアウトボードだが、コロナ禍の影響で無観客または入場人数制限時の試合興行を余儀なくされているスポーツ界の実情を鑑み、同社のTiMaxシステムをスタジアムやアリーナといったスポーツ施設に導入するために進化させた。
アウトボードは1990年代に音源指向型サウンド増幅システムを開発した先駆的な存在で、高音質の空間音響やオーケストラサウンド増幅を実現した同社のTiMaxシステムは、ニューヨークのブロードウェイやロンドンのウェスト・エンドなど、世界中の屋内エンターテインメント施設で導入されている。
TiMaxシステムの空間オーディオと没入型オーディオプラットフォームは、音響効果やプレイバック、ショーコントロールといった機能を統合し、包括的な音響ソリューションを提供することから、サウンドデザイナーやAVシステム・インテグレーターが重宝している。
新たな開発されたTiMax Crowdscapeは、スタジアムやアリーナで躍動する選手たちに実際の試合の状況に呼応する観客の生の反応を届けるシステムだ。観客席に設置された多重チャンネル音響システムがピッチやフィールド、コートなどのプレーエリアを向いており、選手たちが臨場感を堪能できる仕組みとなっている。
観客の効果音のループだけでなく、応援や拍手、ブーイング効果音や競技やチーム特有のカスタム効果音などを自在に組み合わせることが可能で、1人または複数のオペレーターがiPadで操作できる。それぞれのiPadの3Dパンナー、フェーダー、トリガーを使い、選択した効果音をアリーナやスタジアム のどの場所でも自由にミックスできるだけでなく、施設の既存の音響システムとの統合が可能なことも強みだ。
また、TiMax Crowdscape は施設内でミックスされた空間音響以外にも、放送局や視聴反応システム経由で取得可能な外部の観客効果音を空間音響としてミックスし、アリーナやスタジアム内に設置されたスピーカーから流すこともできるほか、ダウンミックスしたステレオ、5.1、またはモノラルの観客効果音をシステム内で同時生成し、放送やストリーミング配信用に中継車に送信することも可能だ。
アウトボードによると、現在、サブバスを含む10.4chのTiMax Crowdscapeマルチチャンネル空間音響システムが、カナダのNHL仕様のアイスホッケーアリーナに試験導入されている。サッカースタジアムや野球のボールパークに導入する場合は、当該地域のPAシステム業者との協業により、12.6ch仕様またはそれ以上の拡張可能型システムも提供可能とのことだ。
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元記事 - OUTBOARD OPENS UP TO SPORTS MARKET WITH TIMAX CROWDSCAPE
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