イングランドのサッカー、プレミアリーグ(1部)のエヴァートンFCの新スタジアムを設計した建築家のダン・マイスは、海洋プラスチックの再生材で座席を製造する考えを示した。
新スタジアムはリヴァプール市北西部のブラムリー・ムーア・ドックに建設される予定で、収容人数は52,000人。エヴァートンは2019年12月、2023年までの移転を目指し、リヴァプール市議会に新スタジアムの建築開発許可を提出した。
マイス氏はSkySportsNewsのインタビューで、新スタジアムが環境配慮型の施設になると説明。その一例として、海洋プラスチックの再生材で製造した座席を採用する考えがあるし、次のように話した。
「スタジアム設備の建材や素材を考えてみると、プラスチック使用量が一番多いのは座席ではないかということに気付いたのです。今までは考えもしなかったのですが、これは再考の余地があるということになりました。現在、海洋プラスチックの再生材を使ったスタジアム座席のプロタイプを製作中です。
ありがたいことに、環境問題に対する危機感は全世界で日々強くなっていますが、スタジアムではまだまだできることがあります。そして、スタジアムというのは巨大な建造物ですから、建材や調達方法を知的に選択することで、社会に大きな影響を与えることができるのです」
世界規模で海洋プラスチック問題に取り組む「スカイ・オーシャン・レスキュー(SkyOceanRescue)」キャンペーンには、2017年から同キャンペーンを支援しているレスターシティFCなど、すでに複数のプレミアリーグクラブが参加している。昨年はロンドンのチェルシーFCとウェストハム・ユナイテッドFCが、それぞれの本拠地スタジアムでプラスチックごみを削減する取り組みを実施すると発表した。
SkyOceanRescueのエミリー・ペン大使は2020年1月にエヴァートンを訪れ、リユースカップを導入することで使い捨てプラスチックの使用・廃棄量を削減できると説明し、次のように話した。
「たった15分間のハーフタイムの間に、使い捨てプラスチックを一切使用せずに40,000杯のビールやソフトドリンクを提供するにはどうすればよいのか。これは難題ではありますが、ひとつ言えることは、リユースカップを導入することで、1シーズンに75,000個のプラスチックカップを使わなくてすむようになるということです」
また、エヴァートンは2020年1月に、ロシア人大富豪のアリシェル・ウスマノフ氏が、新スタジアムのネーミングライツ(命名権)スポンサーとして名乗りを上げ、3000万ポンド(約42.7億円)のパートナーシップ契約に合意したと発表した。
※金額はすべて2020年2月下旬で換算
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元記事 - RECYCLED OCEAN PLASTIC COULD BE USED FOR NEW EVERTON STADIUM
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