バスケットボールの北米最高峰、NBAのミルウォーキー・バックスの本拠地『ファイサーブ・フォーラム』は2部屋のセンサリールームを設置した。
17,341人収容の同アリーナで開催される全てのイベントにおいて、感覚過敏などの症状に悩む来場客への対応が可能になったほか、ノイズキャンセリング・ヘッドフォンなどのツールが入ったセンサリーバッグも無料で利用できるようになった。
さらに、ファイサーブ・フォーラムの800人以上のイベントスタッフが研修を受け、感覚過敏の来場客を認識し、適切にサポートできるようになった。
自閉症や認知症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などを持つ来場客は、感覚過敏を経験したり、感覚調整がうまくできない問題に直面することがある。中でも聴覚過敏による過度な刺激を伴う場合は、多くの人が集まり、大規模な騒音が発生するイベントへの参加は難しいとされている。
今回、センサリールームを設置したファイサーブ・フォーラムは、カルチャーシティ(KultureCity)からセンサリー・インクルーシブ認証を受けた。カルチャーシティはアメリカやオーストラリアなどの国々で活動するNPO団体で、大型施設や公共施設によるセンサリールームの設置やセンサリーバッグの導入を支援している。
ファイサーブ・フォーラムのゲストエクスペリエンス担当ダイレクターのジル・バリー氏は、センサリールームの設置について次のように話した。
「ファイサーブ・フォーラムは世界で最もインクルーシブかつバリアフリーなスポーツ&エンターテインメントベニューを目指しており、すべてのお客様に快適で楽しい体験をお届けできるよう全力を尽くしています。
また、センサリールームのデザインや設計、そしてスタッフの感覚過敏への理解を深める研修を提供してくれたカルチャーシティのサポートに感謝しています。感覚処理障害でお悩みのお客様にも、ファイサーブ・フォーラムで開催されるイベントを思う存分楽しんでいただける施設を整備でき、嬉しく思っています」
新たに整備された2部屋のセンサリールームは、下層階のセクション110付近と上層階のセクション212付近でそれぞれ利用可能だ。各室とも、落ち着く色調の内装が施され、触覚を刺激する壁掛けおもちゃ、やわらかい家具などが揃えられ、静かで安心できる空間で時間を過ごすことができる。
センサリーバッグはゲスト用のコンシェルジュデスクで受け取ることができるほか、BMOクラブ会員の来場客は、BMOクラブの受付で受け取ることもできる。ピュロ・サウンド・ラボ(Puro Sound Labs)が提供するノイズキャンセリング・ヘッドフォンや手持ち無沙汰やストレスを解消するおもちゃ数種類以外にも、ボードメーカー(Boardmaker)社との協働で製作された言語キューカード、そしてカルチャーシティのVIPネックストラップが入っている。
センサリールームやセンサリーバッグの利用客は、ファイサーブ・フォーラム来場前に、カルチャーシティの無料アプリをダウンロードすることで、アリーナ内のセンサリー施設の場所や、アクセス可能な場所について事前に学習できる。イベント体験がどのようなものになるかを説明するソーシャル・ストーリーもアプリで読むことができる。
2019年はミネソタ・バイキングスやフィラデルフィア・イーグルス(共にNFL)、そしてピッツバーグ・パイレーツ(MLB)などのプロスポーツチームがカルチャーシティとパートナーシップ契約を締結している。
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元記事 - MILWAUKEE'S FISERV FORUM UNVEILS TWO SENSORY ROOMS
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