新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が進む中、ブラジルのサッカー、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(1部)に所属するSCコリンチャンス・パウリスタ、サントスFC、サンパウロFCなどの複数のクラブが本拠地スタジアムや練習場を医療施設として活用するよう、自治体や地方政府に提供する方針を打ち出した。
南米最大の人口を抱えるブラジルでは2019年3月22日までに904人が感染し、11人が死亡しており、ブラジルサッカー連盟(CBF)は3月16日に国内リーグ戦の無期限延期を発表していた。
コリンチャンスは声明を発表し、クラブの伝統でもある「団結と社会責任の信念」に基づき、本拠地『アレーナ・コリンチャンス』を含むすべてのクラブ所有施設について、政府機関がコロナ対策に利用できるよう提供すると表明した。
サントスFCもクラブ所有の全施設をサントス市保険局が利用できるよう協力するとしたうえで、本拠地『ヴィラ・ベルミーロ』のメインスタンドビルの『サラン・デ・マルモーレ』は臨時病院になりえると提案した。また、サンパウロFCも本拠地『エスタジオ・ド・モルンビー』の利用について自治体に同様の協力を申し出ているほか、アトレチコ・パラナエンセやボタフォゴも全面的に協力する声明を発表している。
感染が爆発的に広がっている欧州では、ポルトガルのプリメイラ・リーガ(1部)のFCポルトが、クラブが所有する屋内アリーナのドラゴン・アレナを臨時病院または医療関係者の休憩施設として利用できるとして、ポルト市内の聖ジョアン病院の病院長に打診した。3月23日からはFCポルトが同病院のスタッフに食事を提供する。ポルトガルでは3月22日までに1,280人の感染と12人の死亡が確認されている。
FCポルトのジョルジ・ヌノ・ピント・ダ・コスタ会長は、「現場で闘っておられる医療従事者や患者の皆様のために、ドラゴン・アレナを利用していただけるように準備していきます」と話した。
また、3月22日までに15,219人が感染し、201人が死亡しているアメリカでは、アメフトの全米最高峰リーグNFLのタンパベイ・バッカニアーズの本拠地『レイモンド・ジェームス・スタジアム』が、新たにCOVID-19のドライブスルー検査場として活用されることをフロリダ州ヒルズボロ郡が発表した。
レイモンド・ジェームス・スタジアムでは、医師に検査を勧められた患者のみを対象にした検査が実施される。ヒルズボロ郡のマイク・メリル管理官は、ニュース配信サイトのPatch.comに対して次のように説明した。
「スタジアムのような施設でドライブスルー検査が実施されることにより、COVID-19の感染が疑われる患者の方が降車する必要がなくなり、他人への感染の心配なく検査を受けることができます。また、ドライブスルー検査では、検体を回収する医療従事者が患者を診療するたびに防護具を交換する必要がないため、順次検査を実施できるという長所もあります」
他にも、イングランドのサッカーの聖地『ウェンブリー・スタジアム』では、最前線の医療従事者や国民保健サービス(National Health Service=NHS)の献身を労うため、毎日1時間にわたり高さ133mのアーチに青い照明を投光し、スタジアム外周のLEDボードに「Thank You NHS」というメッセージを表示することが決まった。
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元記事 - BRAZILIAN FOOTBALL CLUBS MAKE STADIA AVAILABLE FOR COVID-19 FIGHT
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