ブラジル・サンパウロの多目的スタジアム、エスタジオ・ド・パカエンブーは、収容人数を現在の40,000人から26,000人に減らす改修工事を行うため、2年間閉鎖されることが決定した。
1940年に開場したエスタジオ・ド・パカエンブーは、1950年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会の開催会場のひとつとして注目されたほか、現在もサンパウロ州を代表する4クラブ(SCコリンチャンス・パウリスタ、SEパルメイラス、サンパウロFC、サントスFC)の試合を開催している。
2019年2月に同スタジアムの運営管理権を35年契約で獲得した「パトリモニオSP」が事業主体となる。パトリモニオSPはエンジニア会社のプロジェン(Progen)社と投資ファンドのサヴォナ(Savona)社によって構成されるコンソーシアムだ。
パトリモニオSPが公表した計画要綱によると、スタジアムの南スタンドは解体され、9階建てのビルが建てられる。ただ、同コンソーシアムは近隣の風景と調和するスタジアムづくりを目指しており、高層ビルの建設による景観の阻害を避けるために、下層階の1階から4階までは地下に整備する予定だ。
南側のビルには店舗やコワーキングスペース、レストラン、オフィス、イベント会場のほか、駐車場や会議場、野外ステージも整備される。エスタジオ・ド・パカエンブーは、サッカーのカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(1部)のSEパルメイラスが、本拠地のアリアンツ・パルケがコンサートなどのイベントで使用できないときにホームスタジアムとして利用しており、改修後も同様の利用が見込まれる。
ニュース配信サイトのMaquinadoEsporteは、同スタジアムの運営管理権を巡っては、サントスFCも2月の入札に参加しており、同クラブは年間の公式戦の半数をエスタジオ・ド・パカエンブーで開 催する意向で、今後も協議を続けていく方針だと報じた。これに対し、パトリモニオSPも、同スタジアムが多目的スタジアムであることから、サッカー興行については少なくとも年間15試合の開催で利益を生み出すと予想している。
パトリモニオSPのエドゥアルド・バレリャ会長は、FolhadeS.Paulo紙に対して次のように話した。
「南スタンドの解体と新ビルの建設で、スペースや駐車場の賃料や利用料、飲食商品の販売など、多種多様な収入を得ることができるようになります。今後はサッカー興行はエスタジオ・ド・パカエンブーの主な収入源ではなく、収入全体の約15%に貢献する事業となります」
改修工事は2020年上半期に起工し、2022年7月に竣工する予定だ。
Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - ESTÁDIO DO PACAEMBU TO UNDERGO TRANSFORMATION
THE STADIUM HUBの更新お知らせはこちらをフォロー
Twitter:@THESTADIUMHUB
Facebook:THE STADIUM HUB