野球の北米最高峰、メジャーリーグ・ベースボール(MLB)のシアトル・マリナーズは、2020年シーズン開幕までに、2980万米ドル(約32.4億円)をかけた本拠地球場「T-モバイル・パーク」の改修事業を実施すると発表した。
改修事業はオフシーズン中に実施され、49本の基本インフラ改修プロジェクトとボールパーク全体におけるファン体験向上に繋がる整備事業によって構成される。
マリナーズはT-モバイル・パークの利用について、ワシントン州MLBスタジアム公共施設地区(Washington State Major League Baseball Stadium Public Facilities District)と25年間の賃貸契約を交わしているが、契約の中で球場運営に必要な改修や修繕は球団が責任をもって実施することになっており、今後10年間だけでも2億8000万米ドル(約304億円)をかけてT-モバイル・パークを改修していく方針だ。
今オフの改修事業では可動式屋根の車輪交換、ボールパーク内の再塗装、配管工事、過去20間使用してきた音響システムや店舗販売時点情報管理(POS)システムの刷新、障害を持つファンのための施設整備などの基本インフラ改修に2056万米ドル(約22.3億円)を投じる。
また、15ヶ所の入場口新設を含むレフトフィールド・ゲートの拡張、展望エリアの『ルックアウト・ランディング(Lookout Landing)』におけるバーと娯楽スペースの整備、ホームプレートゲート頭上の『ルーフトップ・ボードウォーク(Rooftop Boardwalk)』の遊歩道整備、そして『ファーストベース・テラスクラブ(First Base Terrace Club)』の新たなホスピタリティ席整備など、ファン体験向上のための改修には924万米ドル(約10億円)を費やす予定だ。
ルックアウト・ランディングには屋上バーが整備され、来場者はスタジアムとシアトル市街の景色を楽しみながら、快適な憩いの時間を過ごすことができるようになる。マリナーズは、このスペースを「気軽に楽しめる裏庭のような体験」にしたいと考えており、ベンチやピクニックテーブルを設置する。
ルーフトップ・ボードウォークには、ピュージェット湾の眺めを満喫できる遊歩道、ベンチやテーブル、屋外LED映像モニター、売店、バー、そして子供向けのキッズエリアなどが整備される。
ファーストベース・テラスクラブでは、ファーストベースクラブゾーンの個別席の代わりに、4人掛けのテラスクラブ・テーブルを18台設置。また、同じ区画内に、柔らかい背もたれのソファ席が特徴のテラスクラブ・ロージュボックスも整備する。ビデオモニターや携帯充電ソケットも完備されており、専属ウェイターが飲食商品の注文を取ってくれるサービスもある。
シアトル・マリナーズのケビン・マザー会長件最高経営責任者(CEO)は、T-モバイル・パークの改修について次のように話した。
「T-モバイル・パークは築20年になりますが、現在も施設の状態は良好で、野球観戦には最高のボールパークです。来シーズン、そして将来に向けて、球団はファンのお客様に最上級の観戦体験を提 供できるように、そして今後もこのボールパークがマリナーズの本拠地であり続けられるように、適切なアップグレードを進めていきます」
また、シアトル・マリナーズのフランシス・トレイズマン営業担当シニア・バイスプレジデントは次のように話した。
「T-モバイル・パークは、以前からセンターフィールドのホームブルペンに隣接する飲食エリアの「ザ・ペン(The 'Pen)」を整備していたこともあり、球場を社交の場にするという最近の流行の先駆けだったといえるでしょう。ファンの皆様は、友人や家族とボールパーク体験を共有して楽しみたいものです。
ルックアウト・ランディング、ルーフトップ・ボードウォーク、そしてテラスクラブの改修により、今まで以上に開放的で自由な空間が生まれ、ファンの皆様のボールパーク体験も素晴らしいものになることでしょう」
マリナーズの本拠地である同球場は1998年からセーフコ・フィールドの名前で知られていたが、2018年末にT-モバイル社が25年契約でネーミングライツ(命名権)を獲得。2019年以降は現在の球場名となっている。収容人数は47,000人強だが、フィールド上を解放したイベント開催時には54,000人以上の動員を記録したこともある。
※金額はすべて2019年10月下旬で換算
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元記事 - MARINERS DETAIL WIDE-RANGING T-MOBILE PARK UPGRADES
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