オーストラリア・オリンピック委員会(Australian Olympic Committee=AOC)のジョン・コーツ会長は、クイーンズランド州が2032年夏季五輪大会を開催することになっても、80,000席の大型スタジアムを整備する必要はないと断言した。
クイーンズランド州の五輪招致委員会の関係者が、2019年9月上旬にスイスのローザンヌにある国際オリンピック委員会(International Olympic Committee=IOC)の本部を訪れ、IOCのトーマス・バッハ会長はクイーンズランドの提案を高く評価していた。
AOCのコーツ会長は元IOC副会長で、五輪の開会式や閉会式は、州都ブリスベン市内のスタジアムで十分に開催できると考えているという。
現在、東京で整備中の新国立競技場の通常時の収容人数は68,000だが、仮設席の設置により五輪開催時は80,000人にまで拡張が可能だ。2012年に五輪を開催したロンドン・スタジアムも60,000人収容だが、五輪開催中は収容人数80,000人まで拡張可能だった。
BrisbaneTimes紙によると、AOCのコーツ会長はメインスタジアムの収容人数について次のように話した。
「東京にせよ、ロンドンにせよ、最大で60,000人規模のスタジアムを整備したわけです。大会後利用のレガシーをどのように想定するかにもよりますが、60,000人規模のスタジアムを整備し、大会後に収容人数を縮小することも可能性として視野に入れています。80,000人規模の大型スタジアムは必要とされていないのです」
現在、ブリスベンには52,500席で同州最大となるサンコープ・スタジアムがあるが、既存のスタジアムをメインスタジアムとして利用する可能性について質問されたコーツ会長は、「五輪のメイン会場となるスタジアムはクイーンズランドにはないと思っています。」と答えた上で、次のように話した。
「開会式や閉会式、そして陸上競技のことを考えると、メイン会場を新たに整備する必要はあるかもしれません。42,000席のザ・ギャバ(TheGabba=ブリスベン・クリケット・グラウンドの俗称)は選択肢になりえるかもしれませんが、やはりメインスタジアムは、ロンドン・スタジアムのように大会後に縮小する新スタジアムを整備する必要があると思います。とはいえ、80,000人規模や(2000年の)シドニー五輪のような11万5000人の大型スタジアムを必要とする時代ではありません」
現時点で、2032年夏季五輪大会の開催には、インドとインドネシアが関心を示しているほか、北朝鮮と韓国も歴史的な共催案を検討している。
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元記事 - AOC PRESIDENT PLAYS DOWN NEED FOR 80,000-SEAT STADIUM IN QUEENSLAND
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