アメリカのメジャーリーグ・ベースボール(MLB)のカンザスシティ・ロイヤルズは、打球直撃による観客の怪我に関して近年増えている懸念の声に配慮し、本拠地「カウフマン・スタジアム」の防球ネットエリアを拡張することを決めた。
2019年7月14日にカウフマン・スタジアムで開催されたデトロイト・タイガース戦では、観戦中の少女にファウルボールが直撃し、病院に運ばれたばかりだ。幸いなことにこの少女は翌日退院できたが、5月29日にはヒューストン・アストロズの本拠地「ミニッツメイド・パーク」で開催されたシカゴ・カブス戦で同様にファールボールが直撃した少女は頭蓋骨骨折の重傷を負った。
ロイヤルズは7月の事故を受け、再発防止策として防球ネットをファウルライン付近まで拡張すると発表した。
ロイヤルズのトビー・クック広報担当バイスプレジデントは、KSHB-TVに対して次のように話した。
「ファンの皆様の安全が一番大事です。野球観戦に来られた方が怪我をしてしまうほど辛いことはありません。防球ネットの拡張は以前から検討されてはいましたが、ただネットを張ればいいといった単純な改修ではないのも事実なのです」
MLBではファウルボール直撃による事故への懸念の声が高まっており、最近ではピッツバーグ・パイレーツも本拠地「PNCパーク」も防球ネットエリアの拡張を決定していた。また、ロサンゼルス・ドジャーズ、ワシントン・ナショナルズ、シカゴ・ホワイトソックスもそれぞれのボールパークで、防球ネットエリアの拡張を発表している。
AP通信によると、ロイヤルズのネッド・ヨースト監督は7月の事故について次のように語った。
「はっきりと見たわけではありませんが、問題のファウルが飛び込んだ場所には母親と幼い少女がいたと思います。正直、飛球があんな風に飛び込んできたら、観客が直撃を防ぐのは非常に困難だと思いますよ。MLBやロイヤルズができる最善策としては、防球ネットエリアを拡張することだと思います。
野球を観戦しにボールパークに来てくれたファンの方が怪我してしまうのは、何よりも辛いことです。防球ネットエリアの拡張によって状況が改善すれば嬉しいです」
各球団が安全策を講じている背景には、2018年8月にロサンゼルスのドジャー・スタジアムで開催されたサンディエゴ・パドレス戦で、カリフォルニア州在住のリンダ・ゴールドブルームさんという女性の頭部に打球が直撃した事故がある。3人の子供と7人の孫がいたゴールドブルームさんは、事故の4日後、打球直撃が原因で死亡した。
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元記事 - ROYALS SET TO COMMIT TO EXTRA SAFETY NETTING
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