イングランドのサッカー、フットボールリーグ2(4部)のスウィンドン・タウンFCは、同クラブのサポーター信託基金と共同で、本拠地「エナジー・チェック・カウンティ・グラウンド」の自由保有権の売却に関し、スウィンドン市議会と基本合意に達した。
売却額は220万ポンド(約3億円)で、市議会の採択において可決された。
ウィルトシャー州のスウィンドン・タウンFCは1896年以来、収容人数15,728人の同スタジアムを本拠地としてきた古豪だ。これまではクラブとサポーター団体が別々にスタジアムの自由保有権を獲得しようと動いてきたが、2018年8月に共同戦線を張ることを決定。自由保有権がクラブに移れば、創立以来の悲願が叶うことになる。
クラブとサポーター信託基金は売却資金を折半することで、エナジー・チェック・カウンティ・グラウンドの未来をサポーターたちがステークホルダーとして支える枠組みを構築する狙いだ。サポーター信託基金は今後、株式を発行してサポーターたちからの投資を募る予定だ。
スウィンドン・タウン・サポーター信託基金のスティーブ・ミットン会長はBBC Wiltshireに対し、次のように話した。
「株価はお手頃な値段になるよう、可能なかぎり下げるつもりです。何千人というサポーターに参加してもらえるよう全力を尽くしますよ」
また、スウィンドン・タウンFCは、クラブがスタジアムを所有することで、サポーター体験を向上し、さらに地域の住民が利用する施設の改修も可能になると指摘する。
スウィンドン・タウンFCを所有するリー・パワー会長は、声明で次のように話した。
「サッカークラブの長期的な成功という観点からすると、本拠地スタジアムの所有は必要不可欠です。スタジアムの自由保有権を所有することで、より持続可能なクラブ経営が可能となり、また、地域コミュニティの中心的存在として貢献できることも増えます。
今回のサポーターとの連携は、クラブが自前の練習場を持ち、スタジアムを所有し、クラブを愛するサポーターの皆様と共にクラブの行く末を決めるための大きな計画の一環です」
また、サポーター信託基金とのパートナーシップについて、パワー会長は地元紙Swindon Advertiserに対して次のように語った。
「(サポーターとのパートナーシップは)クラブのピッチ上のパフォーマンスにも好影響を与えると思います。スタジアムをもっと家族向けの場所にして、楽しい企画を打ち出せば、自然に来場者数も増えるでしょう。
ここ2年ほどは成績面では低迷していましたが、クラブには素晴らしいサポーターたちが付いています。今回のことで再びスタジアムで興奮を生み出すことができるようになれば、クラブはサポーターの皆様と共に前進することができます。
スタジアム所有に関する一連の動きは、市議会のサポートがなければ成し得ないことでした。しっかり理解していただきたいのは、市議会の皆様のおかげで我々は前に進むことができ、彼らこそ評価されるべきなのです」
スウィンドン市議会のデイビッド・レナード議長は、今回の合意について次のように話した。
「クラブとサポーターが連携してスタジアムの自由保有権を獲得するというのは、非常に珍しいケースといえます。サポーター信託基金がスタジアムの自由保有権を共同所有することで、クラブの血肉ともいえるサポーターやファンの方々がクラブの利害関係者となり、クラブの未来を守ることができるようになるため、非常に重要なことです。
また、エナジー・チェック・カウンティ・グラウンドは街の中心部への玄関口に位置するランドマークですから、クラブがスタジアムの状態を改善できるような状態になれば、大きなメリットがあります。クラブは収益を拡大する必要に迫られており、スタジアムの改修がクラブの収益拡大、そしてピッチ上の成績向上に繋がることを期待しています」
※金額はすべて2019年5月下旬で換算
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元記事 - SWINDON TOWN HAILS STADIUM DEAL
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