イングランドのサッカー、プレミアリーグ(1部)のウェストハム・ユナイテッドFCは、本拠地「ロンドン・スタジアム」の臨場感を高めるため、両ゴール裏のサー・トレバー・ブルッキング・スタンドとボビー・ムーア・スタンドを改修することを検討している。
ロンドン・スタジアムは2012年のロンドン五輪のメインスタジアムとして建設された多目的スタジアムだが、スタンドとピッチの距離が離れていることから、サッカーの試合観戦には適していない、と不評だった。
同スタジアムを本拠地とするウェストハムはこの批判を認識しており、改修案についてスタジアムの運営管理会社と協議していることを明らかにした。クラブの改修案では両ゴール裏のサイドスタンドの最下層がピッチに近づき、多くの部分では現在よりも4m以上ほど近くなるという。
また、両スタンドはピッチのゴールラインと平行する設計となるため、よりサッカー専用スタジアムらしい臨場感が期待されている。なお、クラブは改修案について、すでに両スタンドのシーズンパスを保有するサポーターたちに通知済みだ。
ウェストハムによると、改修によりサポーターたちとピッチの距離が縮まるだけでなく、座席の設置や取り外し作業も簡素化され、サッカーのオフシーズン中の夏季イベント等によるスタジアム利用頻度も増加する見込みだという。また、スタジアムの年間運営コストの削減も期待されている。
ウェストハム・ユナイテッドFCのカレン・ブレイディ副会長は、ゴール裏スタンドの改修について次のように話した。
「私は昨年、サポーターの皆様のマッチデー体験をあらゆる部分で向上するために全力を尽くすつもりだと話しました。そこで、クラブの担当チームとスタジアムの運営会社の間で解決策を模索してきました。スタンドのピッチの距離というのは、多くのサポーターの皆様が問題視してきたことで、クラブとしても真摯に耳を傾けました。
初期の改修コンセプトに好意的な反応が寄せられたので、いよいよ実現に向かって動き出すことができます。ただ、一番重要なことは、今回の改修案についてサー・トレバー・ブルッキング・スタンドとボビー・ムーア・スタンドのシーズンパスを保有されているサポーターの方たちと話し合いをすることで、クラブは当該サポーターの皆様に連絡を取り始めています。
ウェストハム・ユナイテッドもロンドン・スタジアムも、サポーターの皆様が誇りに思えるホームスタジアムづくりに全力を尽くしていく所存です」
また、ロンドン・スタジアムを所有するロンドンレガシー開発公社(London Legacy Development Corporation)のリン・ガーナーCEOは次のように話した。
「ウェストハムのサポーターの皆様が、以前からスタンドとピッチの距離をどうにかしてほしいと要望されていたことは知っていたので、今回の改修案について検討することができるのは嬉しいことです。今シーズンのロンドン・スタジアムの雰囲気は本当に素晴らしかったので、新しいレイアウトで臨場感はさらに向上するでしょう。
また、イベント利用時の座席の配置変更の面でも、最も効率性の高いシステムが採用されるという点が重要です。ロンドン・スタジアムはプレミアリーグ以外にも、メジャーリーグ・ベースボールや陸上の国際大会、それに音楽会の世界的なアーティストの公演を開催しており、これらのイベントは周辺地域だけでなくロンドン全域の地方経済に大きく貢献しています。ですので、今回の改修も当スタジアムの長期的かつ持続可能な運営を見据えたアップグレード事業の一環として取り組んでいきたいと考えています。
今後も、ロンドン・スタジアムのすべてのお客様に満足してもらうスタジアムを目指し、主要パートナーのウェストハム・ユナイテッドFCと協力していきたいと思います」
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元記事 - WEST HAM PROPOSES MOVING STANDS CLOSER TO LONDON STADIUM PITCH
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