オレゴン州ポートランドでメジャーリーグ・ベースボール(MLB)球団結成を目指す団体「ポートランド・ダイヤモンド・プロジェクト(PDP)」が、参加を表明している主要出資者を発表した。報道によると、すでに州外の株式投資家たちが、13億米ドル(約1,450億円)以上の投資に合意しているとのことだ。
PDPは2018年5月に発足した推進団体で、早ければ2022年までにボールパークを新設し、MLBに新球団を参加させたいとしている。6月にはNFLのシアトル・シーホークスのクオーターバック、ラッセル・ウィルソンと妻で歌手のシアラが外部出資者として投資に合意した。
PDPの資金調達の実現可能性については、以前から懐疑的な声もあったが、同団体は2019年1月、12家族で構成される大口出資者の名簿を発表した。
ウィルソンとシアラ以外にも、ナイキのグローバル・シューズ製品開発担当バイスプレジデントのマーク・アレン氏と妻のペグ氏、プラット・エレクトリック(Platt Electric)社のハーヴィ・プラット元CEOと妻のサンディ氏、元実業家で慈善活動家のサマンサ・リチャードソン氏、MLBのトロント・ブルージェイズの元選手のダーウィン・バーニー氏とその家族など、多くの著名人がPDPへの関心を示していることが明らかになった。
PDPを創設したクレイグ・チークCEOは、声明の中で次のように述べた。
「大口出資者の皆様が、こんなに早い時期から投資に合意してくれたのは、彼らが野球というスポーツとポートランドという地域を愛しているからです。プロジェクトの初期の段階で、MLB球団の結成は、ポートランド市に大きなレガシーを遺す特別な機会だと認識してくれたのです」
現時点で大口出資者の投資額は、新ボールパークのデザイン費用や設計費、法務費用、行政費用、通信・広報費、コミュニティ・マーケティングやブランドキャンペーン展開費用などの事業費をカバーする額となっている。
なお、最初の投資ラウンドで調達した資金は、ポートランド・ダイヤモンド・クラブハウス(Portland Diamond Clubhouse)という期間限定ショップの開店に使われた。同ショップでは、PDPロゴのTシャツや帽子など、PDPの活動を周知するためのキャンペーングッズが販売されている。
また、PDPは、大口出資者の多くが今後もプロジェクトを金銭的に支援するとしつつ、ボールパーク建設費やポートランドを本拠地とするMLB球団買収費の調達ラウンドでは、新たな投資家が参加すると考えているとした。
PDPは2018年11月に、ポートランド港の第2ターミナル周辺の土地を再開発する事業について、ポートランド港と合意したと発表。建設用地は45エーカーの広さで、収容人数32,000~34,000人の新ボールパークがその中核事業となる。チーク氏は地元紙のThe Oregonian紙に対し、新ボールパーク整備事業と球団買収の総事業費が25億米ドル(約2,786億円)以上になる見込みだと伝えていた。
ポートランド市役所の関係者は、PDPは州外の株式投資家たちが13億米ドルの出資に合意していることを示す合意文書をポートランドのテッド・ウィーラー市長に開示したと話している。
なお、MLBのコミッショナー、ロブ・マンフレッド氏は、現在新たな本拠地への移転を進めているオークランド・アスレチックスとタンパベイ・レイズのボールパーク移転問題が片付くまで、新球団参入の話はしないとしているが、MLBは現在の30チームから32チームへの拡大を検討していることも事実だ。
大口出資者の一人であるバーニー氏は、PDPについて次のように話した。
「ポートランド地域出身者で、また、MLBの選手経験もある私からすると、PDPはまさに歴史を変える一大事業で、このようなレガシープロジェクトに参加できるチャンスはなかなかありません。ですので、すぐに出資しようと決断しました」
※金額はすべて2019年3月中旬で換算
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元記事 - INVESTORS REVEALED FOR PORTLAND'S MLB DRIVE
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