壮大なビジョンを掲げるコロンバス・クルーの新スタジアム、整備実現に向けて順調な滑り出し
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コロンバス・クルーの新スタジアム完成予想図
コロンバス・クルーの新スタジアム完成予想図 (画像:MLS)

アメリカのメジャーリーグ・サッカー(MLS)のコロンバス・クルーSCの新スタジアム計画が公表された。新スタジアムは客席数は20,000席で、コロンバス市のダウンタウンを流れるオレンタンジー川とサイオト川の合流地点に建設される「コンフルエンズ・ビレッジ」の一部となる。

同クラブがコロンバスを本拠地として活動し続けるためには、新スタジアムの整備が必要不可欠とされていた。

発表会見にはコロンバス市とフランクリン郡、コロンバス市内の企業のCEO70人以上によって構成されるNPO団体「コロンバス・パートナーシップ」の代表者が参加し、新スタジアム計画以外にも、クラブ買収と現在の本拠地「マフレ・スタジアム」の将来的な利用計画についても説明された。

MLSは2018年末までにクラブの今後の道筋が立たない場合、コロンバスからの移転の必要性を示唆していたため、アメフト・プロリーグ(NFL)のクリーブランド・ブラウンズのオーナーでもあるディーとジミーのハスラム夫妻、そしてスポーツ医学の権威でコロンバス在住のピーター・エドワーズ医師が中心となって年内のクラブ買収を実現するために奔走していた。

市、郡、そして新たにクラブを所有することになるオーナーグループは、クラブ買収や新スタジアム整備計画、および現在の本拠地であるマフレ・スタジアムの将来的な利用計画に関する覚書を準備している。

なお、マフレ・スタジアムに関しては、コロンバスのアンドリュー・ギンサー市長が、屋内サッカー場やバスケットボールコート、陸上競技施設、地域コミュニティが幅広く使用できるイベントスペースなどを備えた公共施設「コロンバス・コミュニティ・スポーツ・パーク」へと改修されると言及している。

新スタジアムの総工費は2億3,000万米ドル(約250億円)と試算されており、観客席数20,000席の内、VIPスイートは30室で、クラブラウンジ席は1,900席程度。観客席は全席屋根に覆われる。

コンフルエンス・ビレッジ全体の広さは13万3,546m2で、スタジアムの周囲には川沿いのマンション、オフィスビル、駐車場など7棟のビルが建設される。

地元紙のコロンバス・ディスパッチ紙によると、ギンサー市長は新スタジアムは「コロンバス市にとっても大事な施設となり、特にその設計とファン体験には世界が注目するでしょう」と話した。

敷地内の商業・オフィス部分の延床面積は約25,084m2になり、マンション885戸の少なくとも2割は手頃な価格の住居物件として販売される。

コロンバス・クルーSCの新オーナーグループは、新スタジアム建設とマフレ・スタジアム改修に6億4,500万米ドル(約700億円)を投じることになる。これには、クラブを買収する際に前オーナーだったプリコート・スポーツ・ベンチャーズ(Precourt Sports Ventures)社に支払った1億5,000万米ドル(約163億円)も含まれる。

コロンバス・ディスパッチ紙は、コロンバス市とフランクリン郡が今後30年間でそれぞれ拠出する5,000万米ドル(約54億円)ずつの資金は、地域の資金管理団体が管理し、スタジアム周辺施設やインフラの建設や整備に使用されるが、市の拠出金が新スタジアム建設に使われることはない、と報じた。

コロンバス・パートナーシップのアレックス・フィッシャー理事長兼CEOは、声明の中で新スタジアム計画について次のように話した。

「新スタジアムは、不可能な夢と思われたコロンバス・クルーの未来の次のステップです。ハスラム家やエドワーズ家の協力もあり、地域が一丸となってコロンバス市がMLSクラブのホームタウンであり続けるよう結束した証です。

この唯一無二の官民連携(PPP)事業の創造性のおかげで、新スタジアムと地域開発が一体となって実現します。コロンバスは、今後のプロスポーツチームと地域の連携を定義するような素晴らしい成功事例となるでしょう」

今回の買収が成立するまでコロンバス・クルーSCを所有していたプリコート・スポーツ・ベンチャーズは、テキサス州オースティンに建設を予定している新スタジアムのホームチームとして同クラブを移転させようと考えていたが、MLSクラブを手放したくなかったコロンバス市とオハイオ州も激しく抵抗したため、クラブの将来は不透明だった。

MLSコミッショナーのドン・ガーバー氏は、新たな構想の発表を受け、次のように話した。

「ハスラム家とエドワーズ家、それにコロンバス・パートナーシップの皆様の力で、新スタジアム構想がまた一歩実現に近づいたことを嬉しく思います。

なお、新スタジアム整備計画の発表後、コロンバス市議会は全会一致で周辺開発事業費の一部拠出を承認した。また、オハイオ州政府も新スタジアム整備事業に1,500万米ドル(約16億3,000万円)の資金を拠出する条例案を賛成多数で承認したことで、同事業の実現に向けた機運は間違いなく高まっているといえるだろう。

※金額はすべて2019年1月上旬で換算

Copyright: Xperiology/TheStadiumBusiness.com - reproduced with permission.
元記事 - COLUMBUS SEEKS TO BECOME 'STANDARD-BEARER' WITH CREW STADIUM VISION

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