アメリカ・ミズーリ州のセントルイス市の住宅・都市開発・土地区画(HUDZ)委員会は、同市からメジャーリーグ・サッカー(MLS)参入を目指すサッカークラブの本拠地となる新スタジアム整備案を承認した。
収容人数22,000席の新スタジアム整備案を掲げたセントルイスは、MLS新規参入クラブの最有力候補として見られていたが、2017年4月に、整備事業費に市税を財源とした公的資金投入の是非を決める住民投票で反対票が勝ったため、計画自体が頓挫していた。
その結果、マイアミとナッシュビルの2都市が2020年にMLS新規参入の切符を手に入れることになったが、2017年10月にレンタカー大手のエンタープライズ・ホールディングス(Enterprise Holdings)社を所有するテイラー家が新たなスタジアム建設案を提示したことで、セントルイスの機運は再び高まりつつある。
テイラー家の計画ではスタジアムの座席数は20,000席で、2017年に否決された案と同様にダウンタウンのユニオン駅に近い州有地が候補地となっている。公的資金の投入は最低限に抑えられるため、住民投票の実施は必要ないとされる。
また、テイラー家は今回のスタジアム計画で、ワールドワイド・テクノロジー(World Wide Technology)社のジム・キャヴァノー共同創業者兼CEOとタッグを組んでいる。キャヴァノー氏は否決された計画の代表で、下部リーグにあたるユナイテッド・サッカー・リーグ(USL)のセントルイスFCのオーナーでもある。
市のHUDZ委員会は新スタジアム計画案を全会一致で承認し、また、セントルイス市議会もスタジアム整備事業費に市税が投入されないことを評価した。
また、クラブが民間で資金調達する建設費や運営費を回収できるよう、スタジアム内で販売される飲食商品やグッズには3%の特別売上税が上乗せされ、その分の税収はクラブの収入となることも発表された。なお、その他のすべての施設利用料、所得税、消費税は通常どおり市の収入となる。
セントルイス開発公社(St. Louis Development Corporation)は、スタジアム整備とMLS参入による経済効果を試算し、市は30年間で4,100万米ドル(約44億5,000万円)の収入を得ると報告した。
セントルイスのライダ・クルーソン市長は、新スタジアム計画案の承認について次のように話した。
「市議会のHUDZ 委員会に感謝いたします。MLSチームがセントルイスに誕生する第一歩を踏み出すことができ、とても楽しみな気持ちでいっぱいです。セントルイスはサッカーの街です。
昔からサッカーをプレーしたり観戦してきた文化と歴史があります。そんなセントルイスにサッカー専用スタジアムが生まれ、MLSのチームを持つチャンスが再び訪れたのです」
※金額はすべて2019年1月上旬で換算
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元記事 - ST. LOUIS' LATEST MLS STADIUM PROPOSAL RECEIVES BACKING
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